米国の利上げ、中国経済の後退が同時に起きれば…
その一方、世界的に株価は割高だ。過去10年間の1株あたり純利益の平均値を物価上昇率で調整したシラーPER(株価収益率)は7月末で28.90倍だ。シラーPERが25倍を上回っている場合、株価は割高と考えられる。
今後、フェデックスの業績見通し撤回や米国などの金利上昇などによって、業績予想を下方修正するアナリストは増えるだろう。また、中国では本格的な景気後退や台湾侵攻リスクの高まりなどを懸念して、人民元建ての債券から逃避する海外投資家が急増している。
もし、米国の金利が急上昇すると同時に中国経済のさらなる成長率低下や金融市場の不安定化懸念が高まれば、リスクオフに動く投資家は急増するだろう。それによって世界全体で株価が大きく下がる展開は排除できない。フェデックスの業績悪化見通しの公表は、世界経済の先行き懸念と株価下落リスクが高まっていることへの警鐘と考えられる。