ニッチ市場で世界シェアトップをとる日東電工

3.信越化学工業

信越化学工業は素材・化学セクターで時価総額トップに君臨しています。塩化ビニル樹脂、シリコンウエハー世界首位で、売上高営業利益率は30%前後を誇る超高収益企業です。財務基盤も鉄壁で自己資本比率は80%以上を維持しています。

これまで配当利回りの低さから敬遠していましたが、最近、株価の大幅な下落で投資妙味がでてきました。私は安定的な業績推移を好みますので、業績が急拡大している現状に懸念は残っています。しかし、配当は実質累進配当となっております。株価が突発的に安くなり1万5000円を切るようであれば、配当利回りは3%となるので、その水準であれば積極的に投資したいと思えます。

4.日東電工

日東電工は、精密回路付き薄膜金属ベース基板、熱はく離シート、ディスプレー用偏光フィルム等の特定のニッチ市場で世界シェアトップです。成長が期待されるマーケットで先行者のいないニッチ分野を見つけ、固有の技術を生かした製品でトップシェアを狙う「グローバルニッチトップ」戦略をとっています。

売上高営業利益率は10%を上回り、自己資本比率は75%前後を維持し、財務基盤は盤石です。実質累進配当となっていることから、配当利回り3%程度(株価8000円)まで株価が下落するようなことがあれば、投資を検討したいと考えます。

焦らず長く続ければ、結果が付いてくる可能性は高まる

5.稲畑産業

稲畑産業は業界2位の化学専門商社です。これまでに紹介した4社と比べると時価総額は10分の1程度ですので一般的には馴染みのない会社かもしれません。しかし、その配当利回りの高さや株主優待のお得感から個人投資家には人気のある銘柄となっています。

長期株式投資『オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資』(KADOKAWA)
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稲畑産業の株主還元方針は、累進配当で自社株買いを含めた総還元性向を50%程度としています。今期予想EPS(1株利益)が358円で、配当予想は115円ですので、配当性向は32%です。自社株買いを考慮してもまだ増配余力はあると考えられ、11月の中間決算発表時には配当の上方修正を行ってくるのではと考えています。

そのあたりを踏まえると株価は2500円(配当利回り4.6%)でも問題はない、と私は判断しています。また、増配による利回りの上昇も期待できます。そして、株価が下落しても累進配当であるため、ある程度の安心感をもって買い増しをおこなうことができます。

さらに株主優待は100株保有で500円のクオカードがもらえ、6カ月以上保有すると1000円にグレードアップ。3年以上の保有となると2000円へアップするため、長期保有のインセンティブがあります。また、200株保有、300株保有と保有株数を増やすことでクオカードの金額も増えますので、安くなった時に買い増しという戦術が取りやすい銘柄といえます。

以上、5つの銘柄でした。

初心者の方は、早く資産を増やしたいからと一気に大量購入しがち。でも繰り返しになりますが、それはオススメしません。暴落時の資産下落に耐えられず売ってしまう可能性が高まるからです。

まずは相場で生き残ることを最優先としましょう。そして、業績が安定している配当銘柄を1株ずつ買っていくことで、配当を享受しながら投資を少しずつ学んでいきましょう。焦らずとも長く続ければ、結果が付いてくる可能性は高まります。

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