いざというときに使える「サ行のキラーフレーズ」

NGワードは、今まで無意識に使っていたり、慌ててしまうと、つい口にしてしまいます。まずは頭の中でイメージするところからはじめましょう。慣れてくれば、特に意識をしなくてもスラスラ出てくるようになります。

あいづちやサ行の返しをストックし、いざというときにさっと言えるよう練習しておくといいですね。あまり使い慣れないうちは不安が残ると思いますが、とっておきのフレーズを伝授します。

「サ行のほめ言葉」というのをご存じでしょうか。

「さすがですね」
「知りませんでした」
「すごいですね」
「センスがいいですね」
「そうなんですね!」

このようにあいづちを打たれたら、悪い気になる人はそう多くないでしょう。クレーム対応においても、「さしすせそ」のキラーフレーズを覚えておくと便利です。

さ「さようでございますか」
し「失礼いたしました」「承知いたしました」
す「すみません」
せ「……」
そ「そうなんですか」

「せ」には台詞がありませんが、実はここが最も重要です。声には出さなくても、「責任を持って、対応する」という気持ちを常に持っていてください。そうすることで、グレーな攻撃型に対峙たいじする胆力が備わります。

5分は傾聴し、15分で切り上げ始め、30分で終わらせる

特に“説教好きなタイプ”は、話すことが目的化していることがあり、対応に苦労することが多いのです。グレーな攻撃型も同様です。先ほど、まずは話を聞き、相手に寄り添う姿勢を示すことが大事だとお伝えしましたが、いつまでも話に付き合っていると、業務に支障が出てくるだけでなく、相手に取り込まれる危険性も高まります。

では、どのようなスタンスで向き合えばいいのでしょうか。それは、傾聴の姿勢を念頭に置きながら、時間を区切って応対することです。たとえば、「ちょっと来てくれ」と呼ばれたら、その場では5分間だけ対応すると決め、5分経ったら「立たせたままではつらいので、会議室に移ってお話ししませんか」「急ぎの業務を片づけなければいけないので、申し訳ないのですが、あらためてお時間をつくっていただけますでしょうか」などと伝えるという具合です。

援川聡『職場の困った人対応マニュアル』(WAVE出版)
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場所を変えたり、時間を空けることで、相手の興奮がクールダウンすることが期待できます。言い換えれば“うまく後回しする技術”ともいえます。クレーマーの自宅を訪問した担当者から「3時間話し合ったが、納得してくれなかった」という話もよく聞くように、長時間粘ったからといって、いい結果が得られるわけではありません。むしろ集中力が切れ、話の要領を得ないこともよくあります。

そもそも、「相手の言い分を聞き、なにごともよく話し合って解決を図ろう」という解決策は、一方的に攻撃してくる相手とのやりとりでは通用しません。相手と話していておかしいなと感じたら“寄り添う”傾聴姿勢から、“突き放す”切り上げ態勢へと、早めにモードチェンジすることが大切です。

グレーな攻撃型とのやりとりは、「30分」をめどに切り上げることが基本です。時間配分としては、はじめの5分間は傾聴し、15分経ったら切り上げる方向に持っていき、30分経ったところで終わらせるのが理想です。

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