最終面接で落ちてしまう人ができていないこと
社長相手の最終面接で、とにかく気を付けてほしいのは、次のような点です。
① 胸襟を開ききる:相手は百戦錬磨の経営者です。
すぐにあなたの本質は見透かされるでしょう。あれこれ飾ろうとせずに、肩の力を抜いて、丸裸で臨む気持ちが大事です。
② 端的に話す:経営者は総じて気が短い生き物です。
自らがものすごい数の判断を日々繰り返しており、冗長なこと、まわりくどいことを嫌います。もしあなたがダラダラ話し始めて、結論が見えないプレゼンテーションをしたら、その途端、にこやかに聞いてくださっている社長の頭の中で(「ああ、この人はダメだな」)とNGが出ていることでしょう。
③ 思考・行動が前向きであり、将来の展望を自身で持っている
経営者は現在とともに、常に自社の未来を見ています。特に中堅・幹部クラス以上の採用で経営者が期待するのは、直近の事業を牽引してくれることに加えて、未来を切り開いてくれる可能性を感じられることです。
また、総じて経営者は自社をよい会社にしたいという気持ちが強く、その一環で、前向きであることやツキ・運などにもビビッドに反応します。あなたがツイていそう、「持って」いそうであれば、加算点が期待できます。
毎回、1次、2次は通過するのに最終面接で落ちてしまう人というのは、この部分で引っかかっているケースがほとんどです。もし読者のあなたが該当する場合は、ぜひこの3点についてしっかり備えて次回の最終面接に臨んでください。
三つのNG
社長面接でのコミュニケーションスタイル、話し方について解説しておきましょう。
社長向きの話し方とは、「結論ファースト」「シンプルに、端的に、わかりやすく、具体的に話すこと」です。まどろこしい、冗長な話し方ほど社長が嫌いなものはないのです。
そもそも、「話し方=仕事力」です。面接での話し方は、そのままあなたが日頃仕事をしているときの話し方の映し鏡です。
冗長さはないか、的確に質問の真意に答えているか、わかりやすいか、聞き手が思わず聞き入ってしまうような内容か。これらの点に注意しましょう。
一事が万事。面接は面接の場ということだけではなく、入社後のあなたの働く姿を見せている場でもあるのです。特に社長は、このことにビビッドな生き物です。入社後、あなたがどんなコミュニケーションをするのか、見抜かれていると思ってください。
当然、礼節は不可欠ですが、そのうえで、優秀な人、評価の高い人は、目上の人ともフランクな会話を自然とできます。妙に慇懃無礼な人は、面接で丁寧に話そうとしているのだとは思いますが、大概、社長面接では人物評価が低く、落ちます。これも、ミドルシニアのあなたのリーダー、エグゼクティブとしての風格や今後の伸びしろを見られているのです。
文章もそうですが、会話においても、妙にかしこまりすぎている人というのは、相手との距離感を詰めることができません。
別に、常に経営者などの目上の人といつも対等に話せということではありませんが、どのような立場であっても、相手の懐に入れるコミュニケーション力や関係性構築力を持っているのか否かは、あなたの雇用される力、抜擢される力、キーパーソンに信頼される力に大きく影響を及ぼします。
このあたりは、なかなか文章だけでは伝えにくい部分もありますが、皆さんも周囲を見渡して、「ああ、あの人、自然体で感じ良いなぁ」「わかりやすい話し方、前向きに感じられる話し方で、また会いたくなるなぁ」などと感じる人がいると思います。ぜひ、そういう人の話し方をベンチマークにしてください。
社長向きの対面姿勢は、「慇懃無礼NG」「ナルシストNG」「貧相NG」です。