「政治的な信念が近い政治家が安倍3代だった」

——そうおっしゃいますが世間では、やはり安倍元首相のような有力な政治家を応援することで、その見返りとして、教団側に何かしらの便宜を図ってもらうということもあったのではないかと考えます。

【梶栗】そのように誤解をされてしまうのは、私たちの団体の活動がまだ正しく理解されていないということですので、大変残念です。

ただ、ここで私がはっきりと申し上げたいのは、安倍晋三元首相というのは、戦後の日本において傑出した政治指導者であり、私個人としても、その功績は高く評価しており、心から尊敬しているということです。

実際、私もよく海外でいろんな国の人々とお話をしますが、日本の首相の顔と名前を認識してもらうことはなかなか難しいという現実があります。しかし、安倍元首相はその顔と名前が知れ渡っていました。また外交面においても、国際社会における日本の役割を国内外に明確に示した、という点でも大変な功績のある方です。

こういった日本のために尽力をされた政治家を尊敬して、その政治活動を応援するというのは、私たちのような政治団体でなくとも、国民にとって自然に湧き上がってくる感情ではないでしょうか。

——しかし、会長ご自身が「安倍3代にわたる関係」をお認めになっているという報道があります。文春オンラインの<統一教会は安倍晋三元首相の「雨天の友」だった>では、会長が教団の日曜礼拝で、岸信介元首相と文鮮明、安倍晋太郎と梶栗玄太郎(正義会長の父)、そして会長と安倍元首相の写真を見せて、「これは3代のお付き合い」だと説明したと報じています。教団内では、「安倍3代との蜜月」は常識になっているのではないですか?

【梶栗】日曜礼拝というのは信徒の皆さんに向けたものなので、どうしても信徒の方たちを鼓舞するようなお話の内容になっていますし、私の主観にかなり偏ったものです。その一部分だけを切り取って、すべてを論じられてしまうというのは正直、いかがなものかと思います。

私たちがいわゆる「安倍3代」の政治リーダーの政治活動を応援させていただいたのは事実です。しかし、それは岸家だからとか安倍家だからという理由ではまったくありません。前にお話をさせていいただように、国際勝共連合は創設時から党は関係なく、「反共」の意識の強い政治家を応援してきたという事実があります。岸信介先生、安倍晋太郎先生、安倍晋三元首相というのはいずれも反共の意識の強い政治リーダーで、私たちの活動にも理解を示してくださいました。

つまり、政治的な信念が近い政治家を応援し続けてきた私たちの活動を振り返ってみると、結果として「安倍3代」になっているというだけの話なのです。