「中曽根元首相やレーガン米大統領も応援」
——それはさすがに苦しい言い訳のような気がします。岸信介、安倍晋太郎・晋三という3代と関係が続いているのは「たまたま」だとおっしゃるわけですか?
【梶栗】ええ、しかもそこには「連続性」もありません。まず、岸信介先生に関しては前にお話をしたように、「国際勝共運動」とそれを実践する国際勝共連合のよき理解者でした。
しかし、安倍晋太郎先生と私たちの関係は「岸先生の娘婿だから」ではありません。安倍晋太郎先生が率いていた清和会の前任の会長である福田赳夫先生は非常にしっかりとした「反共」の考えを持っていて、やはり国際勝共連合のよき理解者でした。ですから、われわれも福田先生の政治活動を応援していて、その延長線上に安倍晋太郎先生がいらっしゃったわけです。
そしてわれわれが安倍晋三元首相をお慕いしていたのは、「安倍晋太郎先生の御子息だから」ではなく、先ほども申しげたように、傑出した政治指導者であり、国際社会での日本の役割を示してくれていたからです。
また、さらに言わせていただくと私たちが応援をしていたのは「安倍3代」だけではありません。例えば、中曽根康弘先生も反共の考えが強かった。また、首相になられて最初の外遊先が韓国ということもあって朝鮮半島の平和実現にも強い関心があり、アメリカ、日本、韓国が連携することで共産主義の拡張を防ぐという意識をお持ちで、私たちの考えと非常に近いものがありましたので政治活動を応援させていただきました。
また、中曽根先生と信頼関係を築いたロナルド・レーガン米大統領も反共の意識が強いということで、アメリカで文総裁が政治活動を応援していたという経緯があります。
このように、私たちとしては一貫して、「反共の意識の強い政治リーダー」を応援するという姿勢を長く貫いてきて、考えの近い政治家の方の活動を応援してきました。それがなぜか今は「安倍3代」にだけフォーカスが当てられている。どういう政治的意図があるのかわかりませんが、私たちとしては不思議な気がしています。