時代の「気分」を知り、最初の「出会い」を得る
昔は本でもレコードでも、店頭でたまたま目についたものを買うことで、自分の世界が広がることがあった。しかしいま情報は「指定して取りにいくもの」になっています。目的をもって検索すればいくらでも情報が手に入るけれど、逆に、「偶然の出会い」は乏しくなっている。しかしツイッターの他人の発言には、それと似たような効果がある。
それからコミュニケーションツールとしても面白い。あるときツイッターで、「浅草にいる。これから何を食べたらいいですか」とつぶやいてみたら、いろんな人たちから即座におすすめの店が返ってきた。またその次の週は「これから一緒にご飯を食べてくれる人はいませんか」と言ったら、たまたま近くにいた古い知人と再会できた。
こんなふうに、思いがけない人とのつながりも生まれる。もちろん関係を熟成させるには、必ず実際に会って話さなければいけない。しかし時代の「気分」を知り、最初の「出会い」を得るには、十分有益なツールであることは間違いないです。
※すべて雑誌掲載当時
(長山清子=構成 佐粧俊之=撮影)