プレジデントオンライン読者による好きな経営者、尊敬する経営者ランキングで1位に選ばれたのが“経営の神様”、松下幸之助だ。座右の書としてあげる経営者も多い『道をひらく』をはじめ、残した著作、名言も多い。ユーグレナの出雲充社長もまた、『道をひらく』を愛読、幸之助翁を神様と仰ぐ1人だ。稀代のイノベータでもあった幸之助。答えのないVUCA(将来の予測が困難な状況)の時代だからこその、その思想の魅力と価値を語ってもらった。
ユーグレナ代表取締役社長 出雲 充氏
ユーグレナ代表取締役社長 出雲 充氏

混乱期を生きるための「衆知」という知恵

尊敬する経営者は誰かと聞かれると、私はいつも3人の名前をあげます。日清食品HDの安藤百福、リコー三愛グループの市村清、ヤマトHDの小倉昌男です。松下幸之助の名前がないのはなぜか。幸之助翁は「経営の神様」ですので、私にとっては別格なのです。

実際、私ほど幸之助翁に傾倒している経営者はいないでしょう。著書は繰り返し読んでいますし、松下幸之助歴史館や松下政経塾にも足を運びました。

幸之助翁の言葉は力で溢れています。「私調べ」ですが、マニアの方が選ぶ言葉ベスト3は「道」「素直な心」「青春」。政経塾出身の政治家は「道」「素直な心」、経営者は「青春」をあげる方が多い。私自身も、何か1つと言われたら「青春」を選びますね。

「プレジデント」(2022年9月2日号)の特集は「『松下幸之助』新・名言録」。▼松下幸之助の言葉が時代を超え、人々の心を打つのはなぜか。経営学者・楠木建さんがその「5つの魅力」を解説。▼愛読書にあげる経営トップも多い『道をひらく』。その真髄を9人の経営トップが、仕事で直面した修羅場、土壇場のエピソードを交え、披露します。▼答えのない時代だからこそ参考にしたいのが、戦後ベンチャーをはじめカリスマ経営者たちの生き様です。本田宗一郎(ホンダ)、盛田昭夫(ソニー)、小倉昌男(ヤマト運輸)、稲盛和夫さん(京セラ)らの名言88を一挙紹介。ぜひお手にとってご覧ください。