スポーツドリンクと氷があれば簡単に作れる

家庭用機材で自作した場合、専用の機器を用いて作った場合より氷の粒子が大きいことから、融解熱による冷却効果は低くなりがちです。しかし、それでもただの冷水をそのまま摂るよりは体温の低下効果が期待できます。

中村大輔『暑さを味方につける[HEAT]トレーニング』(扶桑社)
中村大輔『暑さを味方につける[HEAT]トレーニング』(扶桑社)

最近では、市販のアイススラリーもコンビニエンスストアなどで購入できるようになりました。

前述のように深部体温の低下には多くの量を摂取する必要がありますが、アイススラリーは主観的に強い冷涼感が得られるといった利点もあります。また、前述したように前腕冷却などの外部冷却と組み合わせれば少量の摂取でも冷却効果が期待できます。

暑さの中でスポーツ活動を行う際の水分補給と身体冷却の双方の利点があるアイススラリーに注目です。

アイススラリー(厳密に言えばクラッシュアイスに近い)は自宅でも簡単に作れます。ミキサーや、かき氷機などでも作れます。

材料(500ml分)
●スポーツドリンク200ml
●氷(水もしくはスポーツドリンクを製氷皿で凍らせたもの)300g
必要な道具
●ミキサーまたはかき氷機
●魔法瓶
●はかり
●小さい氷が作れる製氷皿(100均で買える)があると便利
出所=『暑さを味方につける[HEAT]トレーニング』
出所=自宅で簡単に作れるアイススラリーのレシピ『暑さを味方につける[HEAT]トレーニング

氷の粒子は小さいほど冷却効果が高くなるので、小さな氷を作れる製氷皿を使い、それをミキサーやかき氷機で細かくするのもよいでしょう。出来上がったアイススラリーは、普通のボトルではすぐに解けてしまうので、保冷性のある魔法瓶に入れましょう。数時間経ってもスラリー状(半液体状)をキープできます。

※1 中村大輔、田名辺陽子、髙橋英幸:日本人トップアスリートにおける暑熱対策に関するアンケート調査。Sports Science in Elite Athlete Support, 3: 39-51, 2019.
※2 Siegel R, Mate J, Brearley MB, et al.: Ice slurry ingestion increases core temperature capacity and running time in the heat. Med Sci Sports Exerc, 42: 717-725, 2010.

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