「Aさん、単価上げてね」と言えばいいのでしょうか?

分解して絞ったから、単価のところがどうも問題のように見える。もし何か真似をさせるとしたら、単価に影響するようなことを真似させるのがいいというのがわかります。

でも、これがわからないと、「もっとピンポンしろ」とか言って、また疲弊させてしまうわけですね(笑)。なんとなくの仮説と経験則でやってしまうと、Aさんをいちばん疲弊させてしまうパターンになるわけです。

問題は単価だとわかったとします。では、「Aさん、単価上げてね」と言えばいいのでしょうか?

ズームイン② なぜ、Aさんの単価は低いの?

そもそも、なぜ、Aさんの単価はこんなに低いんでしょうか?

——1つは、どんな顧客に売っているか。要は金持ちに売っているのか、貧乏な人に売ってるのか。もう1つは、どんな商品を売っているのか。高単価の商品を売っているのか、安い商品を売っているのか。

はい。そうかもしれませんね。ほかにはありませんか?

——Aさんの担当のエリア(商圏)に、そもそもあんまりお金持ちがいない。

なるほど。そうなるとAさんが売れないのは所長であるみなさんの責任ですね。Aさんのせいじゃない。

「分解」の構造としては、ここではまず「Aさん以外の構造的問題」と「Aさん自身の問題」に分けてみましょう。

さらに、「Aさん自身の問題」を、低額ニーズのお客さんのところにしか行っていない「Aさんのお客さんの選び方が悪い問題」、あえて低額の商品を提案している「Aさんのウィル(意志)問題」、高額の商品を提案してるんだけど低額に押し込まれてしまうという「Aさんのスキル問題」の3つに分けてみました。

分解ができたら、絞ります。先ほどはデータで見ることができましたが、今回はAさんを観察するか本人に聞くしかないんですね。

聞いてみたところ、実は「Aさんのお客さんの選び方が悪い問題」だったということがわかってきたとします。もちろんほかの可能性もあるんですけど、この場合そうだったとしましょう。「分解して絞る」の練習ですから。