今後もノーヒットノーランが連発する
相変わらずバットを振ることが主体で、投手ごとの対策は配球を読むくらいしかない打者との格差は開く一方だと言えよう。
ソフトバンクのエース、千賀滉大は最近「このままいけば3割打者が存在しなくなる」と語っている。(西日本スポーツ5月3日オンライン記事)。
投手が勉強し、情報を入れ、トレーニングに生かす環境が整っている一方で、打者は打つ、走る、守るといった感じでこなす必要のある練習量が単純に多いので、急速に進化を遂げる投手に対応するのは容易ではないというのだ。
エースは、現在のNPBの投打のパワーバランスの変化を、日々、身をもって実感しているのだ。
7月3日にもソフトバンクの石川柊太が西武戦で1安打完封を記録した。打者はもちろん「せめて1安打」と抵抗するだろうが、ノーヒットノーランがさらに出る可能性は高い。投高打低の傾向は続くだろう。
投げ込み、走り込みは昭和の遺物に
日本のトラッキングシステム導入は「トラックマン」が先鞭をつけたが、ソニーのグループ会社ホークアイ・イノベーションズ社が提供する「ホークアイ」が売り込みをかけている。現在、ヤクルトと広島が導入している。
トラックマンがレーダーによるデータが基本なのに対し、ホークアイは画像がベース。データで数値化するだけでなく、画像によって選手の動きやポジショニングも捕捉できるのが売りで、選手の動作解析(バイオメカニクス)にも役立てられることから、打撃や守備面での活用も期待される。
さらに練習用に使われる簡易型の弾道計測器「ラプソード」(ラプソード社)もほぼ各球団で導入されている。
その一方で、いまだに「投手は走り込み、投げ込んでこそエースになれる」と言う解説者がいる。勉強不足も甚だしいが、現実のNPBは、昭和の野球人の想像をはるかに超えたレベルに至りつつあるのだ。