儲かる物件を見極めるポイントは5つある
ポイントは①「設備」、②「修繕・リフォーム」、③「残置物」、④「安全性」、⑤「環境」の5つに分類できます。詳しく見ていきましょう。
ポイント①設備
設備というのは生活していくうえで、必要な住宅設備のことです。キッチンや、洗面台、トイレ、お風呂の機器や給排水管、電気・ガス・水道などを指します。
●トイレ
まずトイレです。地方のゼロ円空き家では、汲み取り式のトイレも珍しくありません。汲み取り式トイレとは、トイレの便器の下にタンクがあって、そこに汚物が溜まっていくタイプです。定期的にバキュームカーが来て、汚物を回収してもらいます。
このようなトイレのリフォームは、コストを抑えるために便器を新しくして、ウォシュレットが付いた簡易水洗トイレに交換しましょう。
ただし、簡易水洗では「便槽」と呼ばれるタンクに注意が必要です。このタンクが小さいと、大量の水が流れたらすぐいっぱいになってしまいます。なので、便槽の大きさを確認してください。簡易水洗が難しい場合は、下水に接続するか、浄化槽を使う必要があります。
浄化槽へのリフォームは高額な費用がかかりますが、市町村によっては補助金が出る場合があります。汲み取り式は不衛生のため、衛生的な浄化槽への交換をサポートする取り組みです。市町村によって補助してくれる割合は50%や100%など異なるため、きちんと確認します。
ただ汲み取り式でも安い家賃なら入居者が決まる可能性があるので、絶対に汲み取り式がNGというわけではありません。
訳ありでも少しの工夫でお宝に化けることも
●給排水管
2つめは、給排水の状態のチェックです。
この見極めは大変です。空室期間が長い空き家だと、水道管が傷んでいる可能性があります。直近10年間空き家だった場合は、水道管と排水管が壊れているリスクを考慮して、大まかに150万円は修繕費用にかかると思って価格交渉をしてください。
ただ、実際に修繕費用として150万円かけるかというと、そんなこともありません。新しい管を外壁の上に這わせることで対応できます。配管が露出していると見た目は悪いものの、低コストで修繕ができて問題なく使うことができます。住設備としては十分機能するため、大家としての責任を問われることもありません。
●駐車場
地方は車社会です。駅からの距離よりも駐車場の有無が重視されます。しかも地方では車は1人1台が基本なので、ファミリーの住む一軒家なら複数台用の駐車場の確保が必須条件です。
ただし東京23区の駅、地方の中核都市の駅、あるいは地方でもローカル線ではなく新幹線が通っている主要駅から「徒歩10分圏内」であれば、駐車場は不要です。
なお、「駐車場がないから安い」という物件もたくさんあります。その場合は、塀や門、庭を改修して、駐車場を確保することでお宝物件に化けることもあります。
門も庭もなければ、近所に月極駐車場があるかどうかを確認しておきましょう。近隣の駐車場は、徒歩1分圏内にあるのが理想です。目の前に車の往来が多い大通りがあると道路を渡るのも大変なので、物件と同じ側で、道路を渡らなくてもいいところを探します。