日本に暮らすなら土地の安定した賃貸の低層階

【成毛】人口減少や空き家の急増、将来的にやって来る建て替えやリフォーム、税制の改正リスク、そして天変地異を考えると恐ろしくて不動産は買えないですよ。

【ひろ】買うとしたら、まだ転売の可能性が残っているJR山手線内のマンションのペントハウスとか。まあ、自分が住むというより、金融商品としてですけど。多くの人が金融商品としてのマンションと、自分が住むマンションとをごっちゃにしているんですよ。

【成毛】われわれがこういう話をしていると「じゃあどこに住めばいいんだ!」とツッコまれそうですね。

【ひろ】災害のことも頭に置いておくなら、低層階なら都内でも問題ないと思います。東日本大震災のときも都内で住めなくなるマンションはあまり出ませんでしたよね。低層階なら階段も使えますし。あとは、古くからある神社があるところは安全っていいますよね。

【成毛】東京工業大学のグループが「東日本大震災の津波被害における神社の祭神とその空間的配置」を調査したところ、自然災害を治めるスサノオを祭る神社の被害はほとんどなかったようですね。神社は数百年から1000年単位で続くものもあるので「歴史の古い神社は天災に強い説」は割と信憑性があると思いますよ。

栃木県日光市に誰もいない石鳥居を眺めながら地元の匠町神社
写真=iStock.com/ablokhin
※写真はイメージです

【ひろ】なので、答えとしては、昔の地形とかハザードマップを参考にして、土地が安定している所を選ぶってことですかね。でも、そういう土地は高いので、賃貸のほうがいいんでしょうけど。

【成毛】僕も若かったら賃貸を選んでいたでしょうね。

「それなりの給料」がもらえる職場の徒歩圏内に暮らす

【ひろ】編集さんから「おふたりならどこに住みたいか」と聞かれてますけど、僕的には地震のことはあまり気にしないですね。それよりは職場から徒歩圏内の物件を選んじゃいます。通勤時間が短いほど可処分時間が増えるので。

【成毛】首都直下地震が怖いから東京を避けるとは考えない?

【ひろ】10年に1回のペースで日本のどこかで大きな地震が起きるのは事実でしょうけど、自分が直接大きな被害を受けるかどうかは、運の要素がだいぶ大きい。それよりも、おもしろい仕事ができて、それなりに高い給料がもらえる都市ってなると、日本の場合はどうしても東京になるかなと。