道路環境や服装などが似ていてアメリカより比較しやすいのは、韓国だろう。
同国では日本よりも前に電動キックボードが公道を走っていたが、事故が多発。最近、満13歳以上・無免許で乗れていた電動キックボードを「16歳原付免許」以上かつ、ヘルメット装着を義務化するなど規制を強化したばかりだ。
悲惨な事故を起こさぬためにルールの再考を
今回、「靴」「荷物の重さ制限」「小回り右折に対する危険性」に関して、事業者4社のうちの1社である「株式会社LUUP」に取材を申し入れたが、「どのような紹介記事になるのか」という確認連絡があったきり、期限内に回答が来ることも「回答が遅れるならば連絡をしてほしい」という筆者の申し入れに対する反応もなかった。
危険性を伴う乗り物を世に送り出す以上、説明する責任が生じるはず。悲惨な事故を起こさぬためにも、真摯に向き合い対応してほしかった。
時世柄、3密を避けられるモビリティの多様性を追求するのは決して悪いことではないし、移動がスマートになることは理想的なことだ。かくいう筆者も、近距離における時短移動という意味では、こうした乗り物は魅力を感じる。
しかし今の日本の道路には、新しいモビリティを受け入れる体制が全くといっていいほど整っていない。道路全体の安全を守れるルールの再考は必須だろう。
「“気軽”に利用できる」とする乗り物には、現状「ルールやマナーに対する意識」までもが軽視されやすい。利用者も利用者でない人も、こうした危険性を把握し、このモビリティによって事故に巻き込まれる人がひとりでも減ることを切に願っている。