2021年にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2021年6月24日)
健康的に痩せるにはどうすればいいのか。文教大学健康栄養学部の笠岡誠一教授は「炭水化物こそ最高のダイエット食になる。そのためには『冷ますこと』が重要だ」という――。

※本稿は、笠岡誠一『炭水化物は冷まして食べなさい。』(アスコム)の一部を再編集したものです。

白米のボウルを食べる笑顔の若いアジアの女性
写真=iStock.com/hxyume
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炭水化物を我慢してはいけない

私たち日本人は、長年「ご飯」を主食として食べてきました。しかし近年、糖質制限ダイエットがブームとなり、糖質を含んだ「ご飯」はダイエットの大敵とされています。

そのうえ、あたかも糖質(炭水化物)そのものが「からだに悪いもの」と見なされていることに、強い危機感を覚えています。これは間違いです。

炭水化物は、「からだに悪いもの」ではなく、「からだに絶対必要なもの」。炭水化物を食べなければ、人は健康になれません。

「炭水化物を食べて健康になる」と聞いて、腑に落ちない方もいるでしょう。しかし、もしあなたが今、からだに不調や病気を抱えていたり、なかなか体重が減らなかったりと悩んでいたら、ご飯やそば、パスタやうどん、ジャガイモといった炭水化物を、たっぷり食べていないことが原因かもしれないのです。

アメリカのスコット・サロモン博士らが25年にわたって15万人に行った調査では、炭水化物(糖質)の摂取量が総カロリーの40%に達しない人たちは、死亡リスクが高まり、寿命が短縮することが示されました。

また、炭水化物の摂取を大幅に減らすと、動脈硬化のリスクが高まり、心臓病による死亡率が50%近くも増加するとの報告もあります。さらには、がんによる死亡率の増加や脳梗塞への影響も指摘されています。

このことからも、「炭水化物を食べないと危険」なことがご理解いただけるでしょう。