市役所や公証役場で情報収集

最初にしたことは、現地市役所の高齢者支援課への相談だ。日本全国、どこも同じ支援をしているわけではないので、どのような制度があるのか、特別な支援はあるのかなど、電話で問い合わせると、次の3つのポイントが示された。

・遺言書を正式なものにするには公証役場に相談を
・叔父たちの今後のため、早く特別養護老人ホームに申し込むこと
・財産管理は成年後見制度があるので、相談してみては

市役所の職員はこれらのアドバイスとともに、関係する連絡先を教えてくれた。また、何をするにも、義母と叔父の公的書類が複数必要になるため、来庁するときは義母も同伴のうえ来るようにとのことだった。立場上、誰かの肩入れはできないけれど、困っているなら情報提供は惜しみませんとも付け加えてくれた。

公証役場は各種の契約などで法的効力を発揮する公正証書を作成してくれるところだ。大まかな仕事内容は、日本公証人連合会のHP(https://www.koshonin.gr.jp/)で確認することができ、管轄する役場がどこにあるのか確認することができた。

こちらも電話で、「自筆遺言書があり書いた本人の意思も確認したが、法的効力に疑問を感じている」と相談したところ、「お話を聞く限り、法的に有効とは思えません。本人が希望されるなら、公正証書遺言を作成することをオススメします」との答えが返ってきた。

作成方法は、被相続人(遺言作成者本人)と公証人が対面で話をしながら進めること。その席に利害関係者以外の証人2名の立ち会いが必要だという。また、本人の外出が厳しい場合は、公証人が入所中の施設まで出張することも可能だった。

公証役場の数は思いのほか少ない

他にも、本人の印鑑証明書と戸籍謄本。証人2名の認印+住所、氏名、生年月日、職業などのデータ。本人の使者として作成の相談をするのは義母になるため、義母の印鑑証明書と実印、住民票なども必要なことがわかった。

公証人は最後に、「本県には公証役場が3カ所しかなく、この役場の公証人は私ひとりなので、日程などは早めにご相談ください」と説明があった。その数の少なさに驚いた筆者だが、公証役場と叔父の施設は車で10分程度と近かったことは幸いだった。