IONIQ 5の「充電時間を車内で過ごす提案」

IONIQ 5では、充電時間を車内で過ごす提案が良いと感じた。「前席リラクゼーションコンフォートシート」とネーミングされたそれは、運転席と助手席ともに格納されたオットマン(足のせ台)が張り出し、背もたれが大きく倒れ、同時に座面上端がせり上がる。

ゼログラビティ(重力ゼロ状態)にも似た感覚が体感できるため、30分程度の急速充電時間を車内で快適に過ごせる。スイッチ操作ひとつでシートは電動でモードを変える(グレード別装備)ので利便性も高い。また、両席間にあるコンソールは前後に140mm動くため、車内どの席からも小さなテーブルとしても使えた。デジタルチックな外観に対し、内装は色合い、素材の組み合わせなど柔和な印象で、そのギャップにも好印象を抱いた。

IONIQ 5も十分な走行性能をもつ。回生ブレーキの減速度はステアリングのパドル操作や、ACCなど先進安全技術の主センサーであるミリ波レーダーの制御信号とも組み合わせながら、多岐にわたって変更できるため交通環境に合わせたワンペダル操作が行えた。

ヒョンデの「IONIQ 5/アイオニック5 Lounge AWD」は72.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、WLTC値で577km走る。試乗車の車両重量は2100kg
筆者撮影
ヒョンデの「IONIQ 5/アイオニック5 Lounge AWD」は72.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、WLTC値で577km走る。試乗車の車両重量は2100kg

500e OPENは唯一無二の価値がある。内外装とも歴史あるチンクエチェントの面持ちでアイコニックな造形ながら、専用ボディのBEVであり、先進安全技術もレベル2の運転支援技術を備える。まさに時空を超えたかのような存在だ。ソフトトップルーフを開ければ爽快なBEVを堪能できる。

軽自動車BEVは「安価に手に入る」のが優位点

サクラにはスマートな割り切りを感じた。

軽自動車のBEVとしては、2009年の三菱「i-MiEV」に続く車両だ。バッテリー容量は少なめ(20kWh)で「AER」(All Electric Range/充電一回あたりの走行距離)も180km(WLTC値)だが、普通充電だけでなく急速充電にも対応する。

ACCと車線中央維持機能の組み合わせである「プロパイロット」も装備できるが高額オプションとなるため、サクラはガチなシティコミューターとしての性格が強い。

いずれにしろ国の補助金やエコカー減税、自治体の助成金の合計で、東京都に居住する場合は101万5600円の優遇が受けられるから、装備から考えればガソリンエンジンの軽自動車よりも安価に手に入る。ここも車両価格が安価な軽自動車BEVならではの優位点だ。

ベース車両は日産と三菱のジョイントベンチャーであるNMKVの手による軽自動車だ。日産「デイズ」→サクラ、三菱「ekクロス」→ekクロス EVといった具合だが、デイズ&ekクロス(ekワゴン)の設計段階から、サクラ/ekクロス EVの開発が組み込まれていた。

よって、たとえば車体の土台であるプラットフォームは20kWhのリチウムイオンバッテリー+補機類の150kgの重量物を車体下部に搭載することが前提だったのだ。

日産の「サクラ」は20.0kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、WLTC値で180km走る。試乗車した「X」グレードの車両重量は1070kg
筆者撮影
日産の「サクラ」は20.0kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、WLTC値で180km走る。試乗車した「X」グレードの車両重量は1070kg