〈筆者が考えるNOの5段階〉
① そもそも興味がない
② 興味はあるが、まだピンときていない
③ 検討してみてもいいが、迷う部分、納得できない部分がある
④ 自分はYESだが、まわり(社内や家族など)が反対しそうだ
⑤ 買いたいが、決めるのが怖い。背中を押してほしい

これらを一緒くたに「NO」とくくって受け止めてしまうから、言われたときに傷ついてしまうし、YESにもつながっていかないのです。それぞれの「NO」への対処法は拙著『ゼロストレス営業』に詳述しましたが、ここで少しだけ紹介します。

①そもそも興味がない
→無理にセールスをせず、あわよくば次につながる関係性を目指す

②興味はあるが、まだピンときていない
→興味を持ってくれたことへの感謝と称賛を伝える

③検討してみてもいいが、迷う部分、納得できない部分がある
→購入の可能性が1%でもあるか確認。可能性があるならば、検討ポイントを洗い出し、クリアにしていく

④自分はYESだが、まわり(社内や家族など)が反対しそうだ
→相手の要望をのみつつ、自分の望みがかなう落としどころを提案

⑤買いたいが、決めるのが怖い。背中を押してほしい
→ちょっと強めかな? くらいに押していい! むしろ押されることを待っている!

握手するビジネスマン
写真=iStock.com/comzeal
※写真はイメージです

それぞれのステージをどう見極めるか

さて、問題はこの5段階の見極め方です。

この見極めができれば、今すぐ売れなくても、たくさんのお客さまと良好な関係を築くことができ、最終的には必ず結果もついてくると断言できます。

しかし、①の段階なのに③だと勘違いしていたり、①から急に⑤にしようとして張り切りすぎてしまうと、なかなか結果につながりません。では、見極めが難しいという時にはどうすればいいのでしょうか? やはり1番確実なのは、お客さまの本音を直接聞くことです。

・「今の段階でこのテーマにご興味はありますか?」
・「ご購入の可能性は1%でもありますか?」
・「価値は感じてくださっている。でも、価格も大切ですよね?」

などなど、お客さまのぶっちゃけた本音を直接聞いてみてください。

お客さまの本音をふまえた上で、営業として、人として自分が相手にできることを探す。これがすべてにおいてのベースなのです。

もちろんその場でYESと言っていただけることがベストですが、ベストがダメならベターを探す、というスタンスが無理なく営業を続ける方法です。お客さまのこうしたい! やこんな問題を解決したい! にプラスならば、ためらいも遠慮もありません。なぜなら、それこそがお客さまが求めていることですから。

そして自分の中に経験とデータが蓄積されていくことで、「このお客さまは今この段階だな」「今はこんな言葉をかけたらいいな」ということが、少ないやりとりの中でも何となくつかめるようになっていきます。