各界のトップランナーから直接話を聞ける
協力してもらう専門家は現在のところ、リストにある27名。東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎さん・慶應大学医学部教授の宮田裕章さん・時事通信社代表取締役の境克彦さん・作家演出家の鴻上尚史さんなど、各界のトップランナーであるそうそうたるメンバーが名を連ねており、すべて、工藤校長の志に共感して協力を申し出てくれた人たちです。今後もっと増えていく予定です。
社会の第一線で活躍されているすごい人たちから、直接話を伺う機会がある……。そのオーラを受け取って刺激を受けるのはもちろんのこと、すごい人にも、そこに至るまでのストーリーがあることを知れば、「いつか自分も!」と勇気づけられることでしょう。それはもしかしたら、生徒たちの人生の扉を開く出会いになるかもしれません。
実際、「夢をあきらめない」という植松さんのメッセージは、中学1年生の生徒たちの心に強く響いたようで、授業終了後、「一言話したい!」「サインや写真撮影をお願いしたい!」という生徒たちの人垣で、植松さんの姿が見えなくなるほどでした。
そんな生徒たちを温かく見守る先生たち。その様子を見ていて、「この学校は、先生もいいエネルギー感で動いている」と感じました。
当事者意識を持って社会に関わる姿勢を養う
こうした外部講師による授業や、テーマ学習による論文作成などの探究学習は、これまでもキャリア教育や総合学習の一環としてさまざまな学校で行われているので、目新しいことではありません。この学校の特徴は、「誰かのため社会のために、科学で貢献する」という目的を明確にし、中学1年から高校2年までの5年間にわたる実学的な探究で、生徒たちが当事者意識を持って社会に関わっていくという志につなげている点です。
横浜創英ではサイエンスコース以外でも、高校生対象の「校長の9つのスキル授業」や「リーダー養成講座」を行っています。
そして、今後は、工藤校長が麹町中学校で開発実践してきた、対話を教える「スキル合宿」をさらに発展させて実施していくそうです。
さらに高大連携も進める予定で、夏季休暇中に大学生と授業を行ったり、大学の授業を受けた生徒はそれを単位として認めたり、大学によっては先取りの単位にもなる協定を結んでいくといいます。
現在は中学全体への人気が高く、来年度は全体の定員を1クラス分増加し、計4クラスを募集(定員140名)することが決まっています。