国民民主党は連合に歩調をあわせ、岸田内閣が提出した新年度予算案に賛成。玉木雄一郎代表は財務省出身のうえ、宏池会(岸田派)の大平正芳元首相と遠戚であり、岸田―麻生ラインにシンパシーを抱く。いずれ自民党入りし、麻生氏が目指す宏池会再結集(大宏池会)に加わるとも憶測される。連合と国民民主党は今や「麻生氏の補完勢力」だ。

このように野党第2党の維新と野党第3党の国民はそれぞれ自民党の非主流派(菅氏)と主流派(麻生氏)にすり寄り、自民党内闘争を後方支援する政局カードとして位置づけられ、「野党」と呼ぶに値しない存在になった。

これでは野党共闘など成り立つはずがなく、政権交代のリアリズムは消失し、政界は弛緩しきっている。野党第1党の凋落が招いた悲惨な政治状況といえよう。

力不足が否めない共産、れいわ

このなかで自公政権との対決姿勢を鮮明にしているのは共産党とれいわ新選組だが、自公への対抗軸として力不足は否めない。

共産党は昨秋の衆院選で、立憲民主党政権を「限定的な閣外からの協力」で支えることで合意し野党共闘に踏み込んだ。志位執行部はこれを「歴史的な一歩」と自画自賛し、自衛隊など安全保障体制にも柔軟な態度をとった。

ところが野党は惨敗して立憲内では共産との共闘が失敗だったという声が噴出し、泉代表は共産との合意を白紙に戻した。それでも歴史的な一歩を踏み出してしまった志位執行部は後戻りすることができず、凋落する立憲の背中にしがみつくという皮肉な状況に陥っている。

ウクライナ戦争が勃発した後も共産党の柔軟路線は続いた。自公や立憲とともに「ウクライナと共にある」という国会決議に賛成し、米国から巨大な軍事支援を受けて戦争を遂行するゼレンスキー政権を全面支持。志位氏は日本が他国から侵攻された場合は「自衛隊を含めてあらゆる手段を行使する」と明言し、「自衛隊は違憲と主張しながら活用するのか」と批判を浴びた。立憲との共闘を進めて「確かな野党」のイメージを薄めたことの成否はまだ見通せない。

これに対し、れいわは中立的な立場から即時停戦に向けた外交努力を尽くすべきだとして対露制裁や国会決議に反対し「確かな野党」の立場を明確にしている。山本太郎代表は立憲民主党が政権追及に及び腰だとして「本気で政権取る気があるのか」と批判し、衆院議員を辞職して参院選に出馬表明した。

立憲や共産との共闘と一線を画し、消費税廃止や積極財政を前面に掲げて独自色を強めている。米民主党のサンダースや英労働党のコービンら欧米政界で台頭した左派ポピュリズム勢力のポジションを占める狙いがにじむ。立憲民主党内の若手にも「隠れ山本太郎ファン」は少なくなく、野党再編の「台風の目」になりつつある。