どんなに倍率が上がっても、危機感は消えない
――HARUMI FLAGの好調な動きは、まさに古谷さんたちが「いかせる」努力をされてきたからですよね。ここまでくると安心して見ていられますか。
【古谷さん】平昌の物件はとてもよく売れましたが、全然ニュースにならなかったですよね。たいてい、売れなかったときだけ騒がれるんです。そういう恐怖は正直、今でもあります。
――抽選で奪い合いになっているような状況でも不安があるんですね。
【古谷さん】住宅販売における一番のリスクは、マーケットの変動です。HARUMI FLAGのように戸数が多くて販売期間の長いプロジェクトは、最初から大きなリスクが運命づけられているとも言えます。だからいまだに危機感が消えないのかな、と。
――話はそれますが、古谷さんのようなベテラン営業の方だと、買う人/買わない人がすぐわかったりするものですか。
【古谷さん】さすがにわかりません。何千万円もする大きな買い物ですので、多くの方は住宅ローンを利用されるのですが、そうなると、家族構成や勤務先、収入など、かなり生々しい話まで聞かないといけません。初めて会った営業担当者にそこまで最初から本音で話してくれないですよね。こちらが聞きたいことよりも先に、お客様が知りたいことに丁寧に答えるなど、真摯に対応し、お客さまに信頼できる相手だと思っていただけなくてはいけません。人生を懸けてくるお客さまに対し、自分も本気になって向き合うことを常に心がけています。