マイレージに関しては、電子マネーEdyと提携。使用額に応じてマイルが貯められるほか、マイルをEdyに振り替えて使うことができる。30~40代ビジネスマンのライフスタイルを研究し、ポイント移行先に楽天やヤマダ電機など、日常生活で汎用性の高い提携パートナーを揃えているのも特徴だ。
「飛行機に頻繁には乗らず、買い物でマイルを貯めていく“陸(おか)マイラー”も含めて広く訴求し、ANA色に“うっすらと青く”染まってもらおうという戦略です」と営業推進本部の小西春雄さん。
陸マイラーのうち半数は飛行機と買い物マイルを併用しているという。飛行機に乗る機会があればANAを選ぶだろうし、景気が回復してビジネスユースが増えれば、上顧客に移行する可能性も高まる。
一方でアメックスと提携しハイエンド客の獲得もきっちり狙う。ハードユーザーのビジネス客から日常的に飛行機に乗らない人まで幅広くアプローチすることで、競合他社との差別化を目指している。
ANAでは2010年の4月から、水とお茶を除き、機内のドリンク類を有料化する「ANAマイチョイス」を採用する路線を大幅に拡張する。ドリンクのラインアップは、高品質で知られる果物専門店「千疋屋総本店」のみかんジュース(500円)や、お茶専門店「ルピシア」のダージリンティー(300円)など。従来のものを単に有料化するのではなく、ドリンクの質を上げて幅広い顧客の嗜好に対応するという方針だ。しかし、スカイマークなどの新興勢力や海外の格安航空会社を除けば、機内のドリンクは無料が当たり前と認識されている中、このスタンスが乗客にどう受け入れられるか。今後の動向を見守りたい。