さて、どちらかを選ぶかというと、おすすめは逓減タイプのほう。

死亡保障の必要額は、一般的に結婚して子どもが生まれると一気に増えて、末子が生まれたときが最も高くなる。その後は、年齢が上がるにつれて徐々に必要保障額が下がっていくのが普通だ。その点で、逓減タイプは合理的といえる。もちろん、保険料が安いのも大きなメリットだ。

ただ半面、高齢期に保険金が少ないのはデメリットともいえる。年齢が上がるほど死亡率は上がるので、不安に感じる人もいるだろう。また、基本的に逓減タイプは、これから子どもが生まれて必要保障額が上がるという人には向いていない。このほか、どんどん生活が贅沢になっていくような人もやめたほうがいいだろう。

逓減タイプが向いているのは、今後はもう子どもが生まれることはない、という人だ。さらに、堅実に暮らして生活費がそれほど大きく変わらない、という人には最適といっていい。

ただし、将来は何が起きるかわからないし、思ったほど老後資金が貯まらないようなこともあるだろう。そこで、保険金は高め、保険期間は長めに、余裕を持って加入するのがおすすめだ。

ある保険会社で40歳男性、保険期間60歳満了、保険金月額15万円(一時金受取最高約3040万円)の保険に加入した例では保険料は月5700円。これを65歳満了(一時金受取最高約3640万円)にしても、保険料は月額7710円ですむ。同じ40歳男性が60歳満了の定期保険に加入した例では保険料は月額1万2300円。もともと保険料が安いので、保険期間を長くしてグレードアップしても収入保障保険のほうが安上がりだ。

※すべて雑誌掲載当時

(構成=有山典子 撮影=坂本道浩)