「これはバブルではない」といえる下支えがある
このシナリオが信じられず、今の価格はバブルであると考える人もいるかもしれない。「バブルはいずれはじける」とか「実需に基づかない価格は長続きしない」とかもっともらしいことを言う人はいるが、これはバブルではない。
なぜなら、書いてきたように、分譲マンションより賃貸マンションが儲かるという下支えがあるからだ。賃貸マンションも利回りに準拠した購入判断であり、将来の値上がりを想定した危うい発想ではない。
バブルというのは、こうした不動産の利回りを無視したキャピタルゲイン頼みだったからこそ終わったのだ。バブルの当時の利回りは2%で借入金利は8%だったりした。マイナス6%の利回りなので、キャピタルゲインがそれ以上に起こらない限り儲からないが、それだけ地価が暴騰していたので、お金の貸し手も借り手も楽観的に行っていたからこそ起きたのだ。今は世界的に相対的に高いイールドスプレッドだからこそ、正常な取引の範囲と言えるのである。
「インナー東京」なら値下がりで損をすることはない
会社員は「高くて買えない」などと嘆いている場合ではない。だからこそ、現実的な購入戦略を伝えておこう。既に書いたように、毎月の家賃と住宅ローンの返済はほぼ同額になる。35年の住宅ローンを組むとして、支払っている家賃の420倍、家賃20万円なら8400万円の物件を購入することができる。
その際、都区部の中でも「インナー東京(内側の都心部)」に家を買おう。そうすれば値下がりで損をすることはないことは過去のデータから立証済みだからだ。インナー東京は環七と荒川の内側である。その立地だと単価が高いので面積が小さくなりがちだ。面積は最低40m2あればマイホームとして購入する層がいる。住宅ローン控除は2022年から40m2以上が対象に拡大されているからだ。できれば、50m2、60m2あればいいが、70m2以上などとこだわらなくていい。
こう考えれば、多くの人が家賃地獄から抜け出すことができるだろう。あとは信じて思い切りよく買うだけだ。信じられないなら、私の書いたものを読みあさるなり、無料会員制サイトの「住まいサーフィン」で公開している「沖レク」という動画を見てもらうといいだろう。