上司や同僚のタイプに合わせて付き合い方を変える

原則1は本業をおろそかにしないことです。

やはり大事なことは、本業である会社員としての生産性を上げる効率的な働き方です。

「サラリーマン投資家」が行うべき時間管理は、あくまでもそのためのもの。つまり、仕事の時短をしつつも、ちゃんと上司や同僚とかかわり合いを持ち、信用を築きながら、会社の目標達成に貢献していく。まず、そこに一生懸命になることがすごく大事なのです。

たとえば、相手のタイプに合わせて付き合い方を変えることで、上司や同僚との関係を大事にしながらも、コミュニケーションの時間を短縮することができます。あるいは、一般的にリカバリーに3倍の労力と時間がかかるとされるトラブル対応にしても、ちゃんと問題を整理してウィン・ウィン(Win-Win)のものを提案すれば、リカバリーにかかる時間を短縮できます。

ハイファイブを与える女性のグループ
写真=iStock.com/metamorworks
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こうした時短を積み重ねれば、投資に使える時間、スケジュールの余白は自然と増えていきます。

ただし、会社員が自分の仕事に関して生産性を上げる「いい時短」をするには、仕事をひととおり覚えてからでないと無理なので、少なくとも3年はかかるでしょう。

「時間」ではなく「仕事量」で人の3倍働く

よく会社員は3年働いて一人前、10年働いてその道のプロと言われます。私の場合、新入社員のときに上司から「人の3倍働け」と言われました。人の3倍働けば1年で一人前になれる、そのペースで3年働けば、その道のプロになれる、同期よりも頭ひとつ抜け出せる、というわけです。

時間的には3倍働くのは無理でしたが、仕事の物量で言えば、上司のアドバイスどおりそれくらい働いたつもりです。おかげで同期トップで部長になれたとも言えます。

私がサラリーマンに不動産投資をおすすめするのは、会社員の仕事のイロハが不動産投資にとても役立つからでもあります。

もし不動産投資を始めるのであれば、早くても3年働いてからと考えたほうがいい。職場で信用を築いている人のほうが、金融機関や不動産会社からも信用されやすいからです。

新卒の会社員であれば、最速で25歳くらい。ただ、私のように38歳から始めても決して遅くないので、焦る必要はまったくありません。

いまの若手社員を見ていると、すごくまじめで、勉強熱心です。どうやったら自己実現できるかを真剣に考えています。新人の頃の私は「仕事が終わったら、どこに飲みに行こう?」と毎日考えていたくちなので、それと比べたらはるかにしっかりしています。