「いきなり稼げなくてもいい。ほんの少し世界を広げて、誰かに『ありがとう』と言ってもらう経験を積み、自分が何ができる人かを語れるようになる。そうしないと、次には進めません」
周囲が具体的なお願いをしやすくなり、価値を感じた相手の「ありがとう」が積み重なって「交通費出します」から謝礼へと繋がっていく。その循環をつくっていくことが、業を起こす入り口だと紫乃さんは言う。そこから独立、あるいは小さな会社の手伝いもよし。
自分が生かされる場所を見出す
「今の会社で先が見えているなら、1週間に1時間でも捻出して、次のステップに向けた助走を始めたほうがいい、とお客様にはアドバイスしています」
この先、何のために自分の時間を使うのか。それには何が必要か。そこから始まる学びが本当のリスキリングである。そのうえで自分が生かされる場所を見出すことができれば、「何者か」である自分を感じ取れるのではないだろうか。
(撮影=萩原美寛)