2021年にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2021年11月5日)
職場でメンタル不調になりやすい人にはどんな特徴があるのか。心療内科医の鈴木裕介氏は「真面目で善良な人ほど心身を病みやすい。一人で抱え込まず、自分に不快を与える人をうまく遠ざけることが大切だ」という――。

※本稿は、鈴木裕介『我慢して生きるほど人生は長くない』(アスコム)の一部を再編集したものです。

中年のビジネスウーマンは、オフィスでストレスを感じている
写真=iStock.com/gahsoon
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社会にはあなたの真面目さや善良さにつけ込む人がいる

最初にみなさんにお伝えしたいのは、「社会には不公平なトレードがあふれている」ということです。

私たちは日々、いろいろなものを他人とトレードしながら生きています。家族や恋人、友人とは愛情や思いやりをトレードし、お店では商品やサービスと代金をトレードし、職場では労働時間や労働力、能力、アイデアなどと給料をトレードし……。

この世の中は、そうしたおびただしい数のトレードによって成り立っています。

ただ、トレードは必ずしもフェアに行われているとは限りません。代金に見合わない商品やサービスは山のようにありますし、愛情や思いやりに関しても、「一方ばかりが愛情を注ぎ、もう一方はそれに応えるどころか、愛情や恩を仇で返すようなことをする」というのは、よくあることではないでしょうか。

もちろん、会社においても同様です。

というより、会社こそ、不公平なトレードに満ちているといえるかもしれません。