「最大の問い」の道しるべとなる問いを設定する

具体例で話していきたい。

たとえば、いま、あなたは専門学校を出たばかりの見習いシェフだとしよう。あなたは世界一のシェフになりたいと思っている。このとき、目標と現状は、明確である。目標は「世界一のシェフになる」で、現状は「見習いシェフ」だ。そして、あなたが問うべきは、「どうやったら世界一のシェフになれるのか?」である。これをセントラルクエスチョン(=CQ)と呼ぶ。最終的なゴールであり、その名前のとおり、「ど真ん中の問い」であり、「本質的な問い」を指す。

○セントラルクエスチョン(=CQ)の例
・どうやったら、世界一のシェフになれるのか?

一方で、サブクエスチョン(=SQ)というものがある。これは、その名前のとおり、「サブ」となる問いである。重要なのは、セントラルクエスチョンとサブクエスチョンの関係性にある。小さな問い(=SQ)は、大きな問い(=CQ)の道しるべになっていなければならない。言い換えれば、あなたが「サブクエスチョン」を解いていったら、自然と「セントラルクエスチョン」の問題が解けているべきなのだ。

先のシェフの例であれば、こうなる。

○サブクエスチョン(=SQ)の例
・前提として、世界一のシェフの「定義」はなにか?
・いまの世界一のシェフはどんな人で、若い頃、どんなことをしてきたか?
・これを踏まえて、私は明日からどう時間を過ごせばいいか?

まず、セントラルクエスチョンは、「どうやったら、世界一のシェフになれるのか?」という、抽象的で大きな問いだった。あなたの最終的なゴールだ。

一方で、サブクエスチョンは、そのゴールを達成するための具体的な問いだ。今回でいうと、「世界一のシェフの定義をしたうえで→その人物が若い頃やっていたことを考え→自分が明日からやるべきことを整理する」というふうに、具体的な項目に落ちている。つまり、こう整理できる。

・セントラルクエスチョン(=CQ):抽象的で、大きい問い。ゴールとなる。
・サブクエスチョン(=SQ):具体的で、小さな問い。プロセスとなる。

そして、この両者には、おおよそ1対3の法則がある。つまり、1つのセントラルクエスチョンは、3つのサブクエスチョンで補足するぐらいがちょうどいいのだ。サブクエスチョンを3つ解いたら、セントラルクエスチョンを1つ解けるようになっている。こういう構造にすべきなのだ。

【セントラル・サブの法則】の使い方

では、実際に、【セントラル・サブの法則】を使ってみよう。

たとえば、あなたはいま、入社1年目だとしよう。マーケティング部署に配属されたあなたは、自社のウェブサービスの「有料会員数」を目標として追っている。サービスの種類は、なんでもいい。NetflixやSpotifyなどの月額コンテンツサービスをイメージしてもらってもいいだろう。

現状の有料会員数は100万人。目標は、3カ月以内に105万人にすること。5万人の差だ。まず、あなたが解くべき最終的な問い(=CQ)を設定しよう。ここでは、「どうすれば、3カ月で5万人の会員を獲得できるのか?」だ。シンプルだ。むずかしく考える必要はない。