この数年、コンビニの店頭で「スマホ充電器レンタル」をよく見かけるようになった。業界最大手のINFORICH(インフォリッチ)は現在約3万台超を全国展開する。2018年のサービス開始からわずか4年で、なぜ急速にシェアを伸ばせたのか。「日中英の3カ国語を操るラッパー」という異色の経歴を持つ秋山広宣社長に聞いた――。

スマホのバッテリー残量ゼロは死活問題

現代社会で欠かせないツールとなったスマホ。容量やスペックは年々向上し、今や生活のほとんどをスマホに依存している人も珍しくない。それにともないわたしたちを悩ませるのが、バッテリーの消耗だ。SNSにうつつを抜かし、ちょっと長電話をしたら、気がつけば残量はわずか。モバイルバッテリーを自宅に忘れたときの気持ちをなんと例えたらいいことか。

最新機種が登場してバッテリーの性能がよくなると、さらにそれに耐えうるゲームやアプリが登場して消耗を促進する。その様子はまるでいたちごっこだ。

「日本人の85%が1日1回充電するというデータがあります。おかげさまでサービスは順調に伸びています」

そう語るのは、スマホ充電器のシェアリングサービス「ChargeSPOT(チャージスポット)」を展開するINFORICH代表の秋山広宣。

インフォリッチが4年で大躍進できたワケ

秋山によればスマホのバッテリーの最大容量は2年で70%まで落ちるという。ケータイの買い換え平均年数は4年。そう考えると常に誰かがバッテリーの消耗に悩んでいるともいえる。

「私たちのビジネスがここまで数字を伸ばしたのは、生活必需品となったスマホと『癒着』しているからでしょう」

ここ数年で私たちの身近になったスマホ充電器のシェアリングサービス。中でもチャージスポットは圧倒的設置数を誇り、人気タレントのフワちゃんを起用したCMを流すなど、若者からの認知度は格段に高い。現在、日本、台湾、香港、中国などでサービスを展開し、フランス上陸も目前に迫っている。

2018年のサービス開始からわずか4年でここまで業績を伸ばした理由を理解するには、代表の秋山のルーツを知る必要がある。

ChargeSPOT
撮影=西田香織
コンビニや駅などで見かける、青が目印の「ChargeSPOT(チャージスポット)」