「野球ってこんなんなん」とわかってくれればいい

まずは、しっぽ鬼ごっこで体を温める。高校生の部員が腰に赤ヒモをつけて逃げる役で、子供たちが追いかける。

次は、ゴムボールを使ったキャッチボールだ。子供たちが着けたグラブは大人の手のひらサイズ。未経験の女の子は下から投げてタイミングが合わず、自分の頭の上に投げ上げてしまったり、高校生のお兄さんの待つ方向とは45度違ったり。でも、お兄さんたちは懲りずに付き合う。

キャッチボール
撮影=清水岳志

「よし、上手くなってきたぞ」

そんな声がだんだんと増えてきた。

それから、ポケモンキャラクターなどが書かれたターゲットめがけてボールを投げるストラックアウト。1メートルほどの距離から投げても当たらない。でも、子供たちは楽しんでいる。

そしてティーにボールを置いてバッティング。数球ずつ打って数カ所を回ることができる。経験者の小学生はさすがに、鋭い打球を飛ばした。

バッティングする小学生
撮影=清水岳志

最後は2チームに分かれてゲームを行った。攻撃側はティーのボールを打ってダイヤモンドを走る。守る側はボールを追いかけて囲んで座る。みんなで座ればランナーはそこまでに走った塁で止まるのがルールだ。

「ベースを踏まな、あかんよ(笑)」

ところが、ランナーはお構いなしに止まらずにホームインするから、高校生も父兄も爆笑だ。

「園児なんかは何をやっても結局、ルールまでは理解できないから、打って走って楽しかった、でいいのかなと思います」