フリーランスと比べて会社員の“特権”は多い

会社員にはフリーの個人事業主にはない、さまざまな特権があります。

たとえば、会社員は「健康保険」に、フリーランスは「国民健康保険」に加入します。

両者の保険内容は同じなのですが、会社員が加入する健康保険では、被扶養者に対しての保険料は発生しません。

また、会社員の保険料は企業がその半額を負担してくれているのです。給料から自動的に引かれているため、多くの会社員はあまり意識していないのですが。

一方、フリーランスが加入する「国民健康保険」には扶養という概念がなく、自分以外の家族も収入がある場合は、その分に対しても保険料が発生してしまいます。

保険料は全額自己負担で、年間の所得額によって決まる仕組みです。

年金に関しても、会社員は「厚生年金」に、フリーランスは「国民年金」に加入します。

厚生年金の保険料のほうが高いのですが、健康保険と同じく半額は会社が負担をしてくれるうえ、将来的には国民年金よりも手厚い保障を受けられます。

これ以外にも、

・住宅ローンを組みやすい
・クレジットカードの審査に通りやすい
・賃貸住宅が借りやすい
・有給休暇や労災、傷病手当、失業保険など雇用面、社会保険面での保護がある
・手厚い福利厚生制度を利用できる

などが会社員の享受できる特権といえるでしょう。

「自由」になって自堕落な生活を送るのでは本末転倒だ

何より「会社員です」といったほうが、「FIREしたので無職です」とか「一応、フリーランスです」と名乗るよりも社会的な体面がいい。

もしみなさんが今後、FIREできる状態になったら、「会社員を続けることvsFIREしてフリーになること」のリスクとメリットを照らし合わせて、ご判断ください。

会社を辞めたら、他人との交流もなくなり、時間がありあまりすぎて、自堕落な生活になってしまった……というのでは本末転倒です。

自宅で部屋の混乱
写真=iStock.com/Igor Vershinsky
※写真はイメージです

こういったお金の心配以外にも、

・日々、熱中できる趣味、仕事、ボランティア活動などがあるか?
・会社での人づきあいのかわりに、他人と交流したり出会ったりできる場所なり機会なりを確保できているか?

という2点についても、具体的なプランをきちんとつくって、会社員時代から試したうえでFIREへの道を進んだほうがいいでしょう。

FIREは豊かで自由な人生を送るための「手段」の1つ。「自由」であるなら、手段はなんだっていいのです。