専門知識

専門知識は、やや能力と似ている概念であるが少し違う。

例えばあなたがエクセルの能力に長けていても、これだけでは多くの個人の中に埋もれてしまう。どうすれば「Xと言えばこの人!」というポジションを顧客の頭の中で築くことが出来るのか。

汎用性のある能力だけでポジションを取ること、突出したNo1を目指すということは不可能に近い。最初から諦めたほうがよい。

能力は専門知識と掛け算することでポジションの要塞を与えてくれる。

金融×エクセル、管理会計×エクセル、特定業界の収益性シミュレーション×エクセル、小売の在庫分析×エクセルなど、能力と専門知識を掛け算しよう。

専門知識はやはり、「外部からは一見理解しづらいが、分かる人には分かる」というものであればあるほどよい。

ちなみに専門知識と言われると、構えてしまう人も多いと思うがその必要はない。例えばあなたが、広告のビジネスに携わっていたとすれば、特定のセグメントにおける収益性が高いことくらいは知っていて、CAC(顧客獲得単価)や主要媒体の特徴も頭に入っているだろう。

このように、美味しい領域と競合を認識していることだけで、出発地点としては十分な優位性がある。

能力の保有がビジネスの成否に直結するか

探査する事業領域の抽出

自分自身が持つ武器を整理出来ただろうか。

その武器が適用可能な事業領域(ビジネスモデル×コンテンツ)を考えてみよう。

ここで言うコンテンツとは専門とする領域のことである。このコンテンツの区切り方は様々である。例えば教室(ビジネスモデル)×金融・エクセル(コンテンツ)、メディア運用(ビジネスモデル)×仮想通貨(コンテンツ)などである。

能力から事業領域を絞る

広告運用、営業、コンサルティングなど職業から来る競争力を持っているとするとその能力のみを売るビジネスか、その能力を保有していることがビジネスの成否に直結するビジネスを考えるとよい。

あなたがコンサルティング能力に秀でていると考える場合はコンサルティングファームを作ると考えることも出来るし、それ以外にも例えば、法人向けにコンサルティングに近い営業が必要となる企業向けシステム導入代行ビジネスを行ってもよい。

前者であれば探査対象はコンサルティングファームに自分の専門コンテンツをかけ合わせる。後者であればシステム開発×会計ということになる。

ネットワークから事業領域を絞る

例えば信頼出来るフリーランスデザイナー30人を知っていたとしよう。この競争力を活用すればデザイン会社を作ることが出来る。自分が営業フロントに立ち、顧客を獲得して知人に仕事を渡し品質保証をするというビジネスである。

この場合デザイナーであるフリーランスを束ねたビジネスが探査対象ということになる。フリーランスマッチング×デザインということになろう。