何に怒り、傷ついたか気持ちを冷静に伝える

ではどうすればいいでしょうか? 言い方のポイントは、根に持っている怒りを「感情的にぶつける」のではなく、「落ち着いて説明する」ことです。

×「だいたいあなたは子育てに協力的でないのよね、そういえば出産にも立ち会わなかったし、つわりがひどい私に……」
→これでは、責めるように聞こえるうえ、夫にしてみれば「そんな昔のことまで持ち出して何を言ってるんだ! いったいどうすればいいんだ⁉」となってしまうので逆効果です。

◎「前の話だけど、私にとってはいまでも引っかかっていることがあるの。妊娠して、つわりがとてもつらかったときの言葉。出産って命がけのことだし、不安いっぱいのときだったから、すごく悲しかったんだ。その気持ちだけわかってもらえればと思って」

このように、まず落ち着いて話せる場をつくって「聞いてほしいことがあるんだ」と、冷静に伝えましょう。たとえば、食事を終えてゆっくりしているときや、夜寝る前のリラックスしているとき、休日の子どもがいない二人きりのときなどがいいかもしれませんね。

長年連れ添ったパートナーだとしても、お詫びや反省などの場面で、自分の望む通りの反応が返ってこない場合もあります。

そのため、「出産に立ち会ってもらえなくてショックだった」「心細かった」「寂しかった」といった自分の思いを伝えて、その気持ちをわかってもらうことをゴールにするのもおすすめです。

まとめポイント
相手に気持ちをわかってもらえるよう、冷静に伝えましょう

過去に浮気されたことをいまも許せないでいます

何年も前ですが、パートナーに浮気されました。裏切られたショックで不信感にさいなまれ、深く傷つきました。当時のことを思い出すたびに「許せない」と怒りが込み上げてきます。いまでも、パートナーとケンカをするたびに、浮気された過去と当時の感情を思い出してぶつけてしまうのもつらいです……。(会社員A美・40代)
戸田久実『「あとから怒りがわいてくる人」のための処方箋』(新星出版社)より
イラスト=坂木浩子(ぽるか)
戸田久実『「あとから怒りがわいてくる人」のための処方箋』(新星出版社)より