仕事相手から想定外の質問を受けたとき、どうすればいいのか。営業コンサルタントの高橋浩一さんの著書『質問しだいで仕事がうまくいくって本当ですか? 無敗営業マンの「瞬間」問題解決法』(KADOKAWA)より、「オブジェクション・ハンドリング」のコツを紹介する――。(第3回)
人形の実業家、マリオネット
写真=iStock.com/Worawut Prasuwan
※写真はイメージです

受注率を左右する「クロージング」の10か条

とある営業チームにおける「上司と部下の会話」を、ストーリー形式で書いています。

登場人物:新人営業マンのマサルと中堅リーダーのノリコ、二人を導く敏腕マネジャーのカピバラ部長

【カピバラ部長】「今回は、勝負所で押さえておくべき10の視点をまとめたよ。クロージングまでに欠かせないポイントを網羅したものだ」

①今ここに時間を使っている理由

お客様は何のために貴重な時間を当社に割いてくれているのか、『そもそもの理由』はいつも把握しておきたい。お客様にとっての目的を外してしまうと、どんな提案も響かないからね。

②提案への感触

当社の提案に対するお客様の感触を『ここまでお話を聞かれてみて、実際、いかがでしたか?』と率直に質問してみるといい。

前向きな感触が得られたなら、次に進もう。逆に、まだ十分に腹落ちされていなかったら、焦ってクロージングするより、丁寧に購買意向を高めていくことが大切だ。

③進め方の意向

例えば、『この後、社内ではどのように進めていかれたいですか?』という質問で、目の前の方が当社の提案をこれからどう検討していきたいか、『進め方の意向』についてお客様の口から聞いておこう。

④BANTCH情報

これはすでに説明した予算(B)、意思決定者(A)、ニーズ(N)、導入時期(T)、競合(C)、検討体制(H)だ。特に、これらを統合した『意思決定ルートの情報』が重要だ。

例をあげると、『300万円以上の稟議は、毎月第4金曜日に開催される役員会議で決められる』といった情報だ。もちろん、会議ではなく、特定の人物へ承認を取りに行かれるケースもある。