「人材配置」はディラテ。「才能発掘」はレトラクテ

人事の仕事では、さまざまな世代や階級の社員と交流したり、転職や合併でカルチャーの異なる世界からやってきた人材を受け入れたりと、あらゆる場面でコミュニケーションが求められます。

その意味では、外向欲求が強く、コミュニケーションを大切にするディラテ(輪郭どっしり)の人が向いていると言えるでしょう。

さらに、ディラテの人は物事のメリットとデメリットを見極めるのが得意な「現実主義者」なので、人材の使いどころを正しく判断し、適材適所に配置するスキルにも長けています。

とはいえ、レトラクテ(面長)の人にも強みはあります。

目に見える情報から物事を展開していくのが得意なディラテに対して、見えないものへの「直感力」が働くのは、レトラクテならではの特徴です。

したがって、タレントを発掘したり、未経験者の伸び代を見極めたりなど、潜在的な「可能性」を引き出したいという局面では、レトラクテの人が力を発揮するでしょう。

また、ディラテにもレトラクテにも弱みはあります。ディラテの人は見える部分だけで相手を判断しがちで、レトラクテの人は相手のマイナス面にばかり目が向きがちです。

いずれも人材を正しく評価する際の妨げになりますから、それぞれが自分の弱点に注意しつつ、「チーム」としてお互いを補い合うのがベストです。

広い額の持ち主は、リストラも淡々とこなせる

なお、拡張ゾーンの分類でいえば、額周りの面積が広い「思考ゾーン拡張」の人が、人事には最も向いています。このタイプの人は感情の動向に左右されないため、リストラが必要になったときなどにも、シビアな判断が下せるからです。

反対に、あまり人事に向いていないのは、感情ゾーンが拡張している人です。情に流されやすいため、好き嫌いで人事を決めたりしがちだからです。

ただし、感情ゾーン拡張でもレトラクテで肉付きが豊富ならば、環境や他者に対する寛容性、順応性とともに、自分の置かれている環境を守ろうという防衛能力の高さが良好に働きます。

すると、会社のために必要なら「やむをえない」と自分の意に反する判断も下せるでしょう。