子供時代にITリテラシーを学ぶ重要性

例えば、子供の防犯において「知らない人について行っちゃダメ」は、昨今では問題のある言い方であると考えられている。

なぜなら、近所でよく見かけたり、見守り隊などに参加していて毎日あいさつをする大人を「知っている人だから大丈夫」と認識し、付いていって犯罪に巻き込まれてしまう可能性があるからだ。

これは「知らない人とは誰か」という認識が親と子供でズレていることが原因のエラーなのだが、「パスワードを他人に教えない」と言うときにも、同じく「他人とは誰か」という部分でズレが発生してしまっており、親や学校がそれを自覚しないまま「他人ではない私たちが、子供のパスワードを適切に管理してあげよう」と考えてしまうのである。

そしてもう1つ。ICT教育の中で、パスワードに関して子供に何を教えるのかという感覚が学校側に希薄であるという事が考えられる。

ICT教育において行われているのは、スマホやタブレット、PCなどの有効的な活用方法や、プログラミングなどのロジックを学ぶことなどだ。それによって子供たちの想像力を育み、形にする方法を教えている。

確かにこれらはとても大事なことだし、子供の頃に学校教育で十分に学んでおく価値のある事柄である。

しかし僕が重要であると考えるのは、もっと基礎的な部分だ。それこそ「パスワードをどうやって管理するか」などのITリテラシーの部分である。

ITリテラシーがないまま大人になるとどうなるか

ところが、先にも述べたように学校が生徒にパスワードを書かせて提出させたり、同じパスワードで管理したりと、学校側にリテラシーがない。

もちろん、「パスワードを書かせるのはおかしいのではないか」と思う親もいれば「学校が言っているのだから任せておけばいい」と思う親までピンキリである。

全体としてはまだまだITリテラシーに対する認識が甘いと考えている。

しかしそうした甘い考えでは、いつか子供たちが成長したときに問題を引き起こすことになる。

例えば、大人になってから恋人が「お互い隠し事のない生活をしたいから、スマホにロックをかけない。もしくはお互いにスマホの暗証番号を教えあおう」というような提案をしてきたとしたらどうだろうか。

相手が「ロックをかけるということは、やましいことがあるという事だ! 浮気をしていないならロックを外せ!」と責めてきたときにも、ロックをかけることの重要性や、暗証番号を教えないことの正当性をまっとうに主張することができるだろうか。

スマホに入っているものは決して利用者の個人的な情報だけではない。メールやSNSには他人のプライベートな情報や、仕事上の情報なども入っている。