やめたいけど、やめられない理由

「使えば使うほど、自分の体型が悲しくなり自分が嫌になってしまうという悪循環が起きていると思う」とコメントするのはメアリーだ。

前出のフェイスブックの内部告発では、インスタグラムが10代のメンタルに悪影響をおよぼすなど、多くのユーザーが疑っていた事実を認識していたのに、運営側が広告収入を優先して対策しなかったことも同時に暴露された。多くの若者はこれを裏切りだと感じた。

インスタグラムはその後、いいねの数が表示されない設定を導入したが、これが果たして効果があるのかという批判も多い。このような不祥事があっても、結局多くのZ世代はインスタグラムを使い続けている。その理由を尋ねるとこんな答えが返ってきた。

「プラットフォーム自体嫌いじゃないし、他に選択肢がないから」

日本ではソーシャルネイティブともよばれるこの世代には、もうソーシャルメディアなしでの生活はありえないのだ。

ミレニアル世代
写真=iStock.com/ViewApart
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インスタ超えのTikTok、スナップチャット

フェイスブック、インスタグラムと対照的なのが、世界でユーザー10億人を超えた中国生まれの「TikTok」だ。

アメリカのティーンの間でインスタを超えた理由は、エンタメ性が高く独自のアルゴリズムによる滞在時間の長さが、パンデミックの巣篭もり需要にハマったためだ。Likeやフォロワー数を気にしたり完璧な自分を演出したりするインスタに比べ、素のままでいられる楽しい場所をTikTok上に見つけ飛びついたことも考えられる。

また、数年前まではダンスやペット映像など子供っぽいイメージだったのが、料理やファッション、人種差別反対など社会正義を発信する動画も加わり、大学生や社会人も参入するようになっている。あっという間にユーチューバーならぬ、有名ティックトッカーが続々生まれているのも注目される理由だ。

ちなみに10代に絞ると、ソーシャルメディアのトップはスナップチャットでこちらはTikTokよりも人気が高い。特に10代前半にアピールしており、ビデオチャットだけという機能がシンプルで分かりやすく、限られた友達だけで楽しめるという気楽さで子供たちのソーシャルメディア入門にはうってつけのプラットフォームだ。

しかし、大学生を中心としたラボのメンバーは「中学の時には使っていたけれどもう使っていない」と口を揃えており、子供っぽいイメージがあるために、大人になるともう使わなくなるようだ。