中国共産党政権の失策の象徴である
その結果、鬼城はこれまでを上回るペースで増加する恐れがある。不動産市況の悪化は中国の雇用・所得環境の悪化に直結する。鬼城に住まざるを得なくなる人が急速に増える展開は否定できない。不動産業者や地方政府と鬼城化した物件の購入者のトラブルも増えるだろう。
すでに中国では、不動産業者が資金をかき集めるために重複販売を行ったり、販売用の物件を担保として銀行やシャドーバンクに差し入れたりしていたことが発覚している。鬼城の住民が不動産業者などにだまされたとして訴訟を起こすケースは増えるだろう。
鬼城問題の深刻化は、社会心理を悪化させ共産党の求心力低下につながる。窮状に陥る鬼城の住人や購入者の増加を食い止めるために、共産党政権はこれまで以上に民間企業への締めつけを強め、不動産業者は資産の切り売りを急ぐだろう。それは不動産市場の悪化に拍車をかけ、鬼城のさらなる増加につながる恐れがある。
共産党政権がセメントや鉄鋼生産、雇用を増やすために不動産投資を頼り、それによって経済成長率を人為的にかさ上げした代償は大きい。鬼城問題はその象徴だ。