ドラクエXが「子供の頃の遊び方」に重なる
僕は子供の頃からゲームがとても好きだった。
母親が駄菓子屋を営んでおり、アーケードゲームも置いていたことから、ゲームに近しい環境にあった。
その一方で、外でもよく遊んでいた。
僕が子供の頃は、今のように友達と遊ぶために事前にアポを取ることも少なく、放課後の空き地や近くの学校の校庭に行けばなんだかんだで誰かしらと暗くなるまで遊ぶことができた。
考えてみれば、別の小学校の、名前もそれほどよく知らない友達とも平気で遊んでいた。
今だと「小さい子供が親の目の届かない場所で遊ぶなんて!」と思ってしまうかもしれないが、昭和の地方ではそれが当たり前だった。
僕にとってのドラクエXというゲームは、なんとなくそうした子供の頃の遊び方を思い起こさせるのだ。
もちろん、親しいフレンドを作って、気の合う者同士でエンドコンテンツに出掛けたりするのは当然楽しい。
しかし、僕にとっては基本的にはひとりでのんびりとサポート仲間を雇って冒険をしながら、時折オートマッチングで見知らぬ誰かと一緒に一時的にパーティを組んで、適当に遊んで解散するのがちょうどいいのである。
のんびり楽しめるから長年にわたって遊び続けられる
昔のように暗くなるまで遊ぶことはないが、ほんの数分程度誰かと一緒に遊んでサクッと解散。物足りなければさらに別の見知らぬ人たちと遊ぶ。
次のバージョンアップを待つのは、子供の頃に月刊の学習誌の次号を待っているときのようだ。数日で一気にプレイして遊びきるゲームも悪くないが、次のストーリーがどうなるかを考えながら、日々待ち続けるゲームの遊び方もなかなかいいものである。
そうしたことが楽しくて、なんとなく10年ちかく遊び続けているのである。
「オンライン」というのは子供の頃になかったゲーム環境である。まさか友人知人を含め、まったく見ず知らずの人とも、離れた場所で気軽に一緒にゲームができることなんて、子供の頃には思いも寄らなかった。
しかし、そうした技術で実現されるのは、子供の頃とほとんど同じ、「そのゲームをプレイすれば、必ず誰かが一緒に遊んでくれる環境」なのである。
僕にとってのドラクエXというゲームは、まさにそういう「誰か遊んでくれる人がいる遊び場」なのである。
世の中には、プレイを始めると、とても楽しくなって1カ月くらい熱中して遊び続けてしまうゲームはよくある。しかし、ドラクエXはそうした熱中型のゲームと違って、しっかりとした楽しさのまま、のんびりゆったりと遊び続けられるコンテンツに仕上がっている。
だからこそ、心地よい関係性のまま、長く楽しみ続けられるのである。