※本稿は、安田峰俊『みんなのユニバーサル文章術 今すぐ役に立つ「最強」の日本語ライティングの世界』(星海社)の一部を再編集したものです。
6割の人がマッチングアプリを利用したことがある
2020年12月2日付けの『日経xwoman』が掲載した、MMD研究所による「マッチングサービス・アプリの利用実態調査」(対象はスマートフォンを所有する20~49歳の独身の男女5385人)によると、マッチング系のウェブサービスを「現在利用している」人は23.9%、「過去に利用していた(現在は利用していない)」人は33.2%もいたという。
現代日本の現役世代の6割弱が利用経験を持っている計算なので、かなり流行している。ウェブで出会いを探し、そこからLINEのかけひきのなかで2人の関係を深めていくのが現代人の恋愛のありかたなのだ。
女性より男性のほうが文章術を考える必要がある
そこで考えたいのが、マッチングアプリ(婚活アプリ)のプロフィールの文章術だ。ちなみにマッチング系のサービスは、通常は女性側の圧倒的な売り手市場である。ゆえにプロフィールについても、女性よりも男性のほうがしっかりと文章術を考える必要がある。
さて、知人女性のアカウントを通じて、大手婚活アプリをのぞいてみると、「東京都在住、30~35歳、大卒以上、未婚、子どもなし、年収400万~600万円」という絞りこみをおこなったうえでも、なんと2900人以上の男性がヒットした。
スマホの画面には彼らの顔写真がズラッと並ぶ。それぞれハンドルネーム・年齢・都道府県・職業・年収・身長・体型などの基本情報に加えて、プロフィール文章の最初の60字ほど(表示環境によりすこし変わる)が表示される仕組みである――。
これは実際に観察するとおもしろい。年齢・学歴・年収がほぼ同じ男性ばかりなのに、各人のリストをざっとスクロールしただけで、すでに大きな「差」があるからだ。