残業が多い、仕事が進まない…職場の問題を解決する一冊

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は『職場の問題地図』でした。

沢渡あまね『職場の問題地図』(技術評論社)
沢渡あまね『職場の問題地図』(技術評論社)

働き方改革により、ノー残業デーを設けたり、有給休暇の取得奨励をしたりしている企業は多いでしょう。しかしその一方で、定時退社した後も自宅でサービス残業をしている人もいるはずです。どうすれば残業を減らせるのか――そう悩んでいるなら、本書が救世主となってくれるでしょう。

残業が発生する原因の一つとして挙げられているのは、手戻りが多いこと。そしてこの問題は、「作業開始前にラフ絵を描くこと」と「報連相のタイミングを相手と合意しておくこと」によって解消に近づくとされています。

ラフ絵を使って成果物のイメージを確認しておくこととともに、「いつ、どのタイミングで、何を報連相するか」を合意しておけば、「期限ギリギリに資料を提出して、上司からダメ出しされる」という手戻りの定番パターンはかなり減らせるでしょう。

本書には、手戻りが多いこと以外にも、上司と部下の意識ズレや仕事の属人化など、さまざまな「問題」を解決する気づきが満載です。管理職はもちろん、生産性を上げて仕事もプライベートも充実させたいすべての方に役立つでしょう。

独学のコツは最初に「人生計画」を立てること

第5位の『ムダな努力を一切しない最速独学術』にもご注目ください。

三木雄信『ムダな努力を一切しない最速独学術』(PHP研究所)
三木雄信『ムダな努力を一切しない最速独学術』(PHP研究所)

部署異動が決まった、DX推進プロジェクトのメンバーに選出された、新しいツールを導入することになった――。仕事をする中で、新たな知識やスキルを得る必要に迫られることは多いでしょう。本書はそんなとき、心強い味方になってくれる一冊です。

著者の三木雄信氏は、25歳でソフトバンクに転職し、孫正義社長の秘書を務めました。常に最短最速で学び続ける必要があるなかで「学び方さえ知っていれば、生まれ持った能力や置かれた環境には関係なく、誰もが賢い人になれる」という結論にたどり着いたそうです。

そんな著者は本書で、「学習計画」の前に「人生計画」を立てるべきだといいます。大人の学習は一般的に「仕事やキャリアでかなえたいこと」を実現するために行われるもの。そのためのゴールが明確になっているからこそ、学習がスムーズに進むのです。

人生100年時代において、新たな知識やスキルの習得はますます重要となるでしょう。独学に挫折したり疲れてしまったりしないために、ぜひお読みいただきたい一冊です。