エミレーツ航空は、エアバスとボーイング2社の航空機を導入しているところまでは市場動向通りだが、機種は長距離用のワイドボディ機のみ。

エアバスの超大型機A380とボーイングの大型機で747ジャンボジェット以降のフラッグシップ機777の2機種だけだ。それぞれ118機、134機を持ち、両機種ともに保有数が世界一となる。

世界レベルのハブアンドスポークを効率的に運用するのにシンプルかつ強力な輸送体制を整えた結果だ。

エアバスのワイドボディ機の占有シェアは25%、ボーイングでは23%の少数派だ。世界中の空を飛ぶ旅客機の中でワイドボディ機は4機のうちの1機の割合でしかない。

ワイドボディ機のみの機材構成を持つ旅客輸送エアラインは世界でエミレーツ航空のたった1社だけだ。他の全てのエアラインは近距離用にナローボディと言われる単通路機を併せて保有する。世界中を飛ぶA380機全体の機数でエミレーツ航空のシェアは48%にもなる。

空飛ぶ宮殿の体験とは

先述した通り、条件的にエミレーツ航空は大型機を志向することになった。話は少しそれるが、機内はどうなっているのか少し触れたいと思う。

エミレーツ航空のエアバスA380は、ファーストクラスに2室のシャワースパを設け、ビジネスクラスの後方には、バーカウンターとラウンジスペースまで作っている。

シート周りの豪華な装備も含めて「空飛ぶ宮殿」と言われるゆえんだ。今では、エミレーツ航空のサービス全体の呼称になっている。

エミレーツ航空A380のファーストクラス
筆者撮影
エミレーツ航空A380のファーストクラス
エミレーツ航空A380機内のラウンジとバーカウンター
筆者撮影
エミレーツ航空A380機内のラウンジとバーカウンター
エミレーツ航空A380ファーストクラスののシャワースパ
筆者撮影
エミレーツ航空A380ファーストクラスのシャワースパ

現在、日本線に就航するボーイング777-300ER型は、「Game Changer」と名付けられたファーストクラスを超える「スイート」の装備を持つ最新型だ。王族の貴賓室かと思わせる2畳以上の広さ40平方フィートの完全個室空間は、1-1-1配列となり2列で6室が並んでいる。到着まで顔を合わせるのは客室乗務員だけとなる。プレミアムホテルの1室をコンパクトにまとめ、アメニティとプライベートバーをセットした「室内」だ。