「親ガチャ」と呼ばれる格差を解消するにはどうすればいいのか。早期幼児教育による格差縮小を唱える米シカゴ大経済学部特別功労教授のジョン・リスト氏は「貧困家庭は子供への教育の価値を理解していない。2010年に始めた大規模な実証実験では、親を教育するカリキュラムが大きな効果を上げている」という。NY在住ジャーナリストの肥田美佐子氏が聞いた――。(第2回/全2回)
ジョン・リスト教授
写真=シカゴ大学提供
ジョン・リスト教授

富裕層の親は子供に投資するが、貧困層はしない

前編から続く)

——親ガチャで遺伝と環境が決まるうえ、その両方が子供にとって非常に重要であり、生まれと育ちの間には関連性があることがわかっていると教授は指摘されました(前編参照)。具体的な研究結果を教えてください。