メルセデス・ベンツが進めるEV移行計画にも関係がある
この流れは、メルセデス・ベンツが推し進める電気自動車(EV)への移行計画にも関係する。
本国ではすでにSクラスに相当するEV「EQS」を発売し、Eクラスに相当するEV「EQE」も2022年には発売される。
ただ、EVの場合は二次バッテリー容量、電動駆動モーターの性能、AER(All Electric Range/充電1回あたりの航続可能距離)の違いが主であり、ユーザーからは乗ってみないと走行性能の違いが見出しにくい。EVには内燃機関が発する鼓動も高揚するサウンドもないからだ。
また、内燃機関時代には、排気量やエンジン種別ではっきりとしたグレードの差別化ができたが、電動化技術は未だ進化の過程であり、評価の軸足が定まりにくい。このことを世界中の自動車メーカーは課題と捉え、目下、新たなる羅針盤の模索に力を入れている。
2030年には新車販売のすべてをEVにする方針
近い将来、SクラスやEクラスがそうであったように、CクラスにもセダンボディのEVがラインアップされるだろう。現状、Cクラスに相当するEVに「EQC」があるが、ボディは内燃機関モデルでSUVの「GLC」がベースで、電動ユニット類も一世代前のシステムが搭載されているため、いずれ新型となることは明白だ。
190シリーズから始まるCクラスは、メルセデス・ベンツの認知度を押し上げる役割を担ってきた。そして今回の新型Cクラスではダウンサイザーの選択肢となりながら、潤沢な装備を携えて上級移行を果たした。
この先、セダンボディの新たなEQCが登場した際には、新型Cクラスの価格帯からEV化の差額をどれだけ小さくできるのか、ここも勝負になってくる。2030年には新車販売のすべてをEVにすると打ち出したメルセデス・ベンツ。次なる一手に注目したい。