Q3.中国との関係をどう築くべきか?
これからのアジア太平洋地域のキープレーヤーはアメリカと中国です。日本も重要な役割がありますが、その2国ほどではありません。中国は今のところ、TPPへの参加を表明していませんが、今後はわかりません。
先述したように、中国の軍事的脅威が高まっていますが、日本を含めた自由主義国家にとって望ましいのは、中国の非軍事化と民主化が進み、近隣諸国との関係を強化していく、まったく逆の流れです。中国と1対1で、そういう関係を築いていくことはとても難しいことですが、TPPのように、「参加したほうが得だ」と中国に思わせるような貿易圏をつくり、「北風と太陽」のたとえでいえば、太陽のようなやり方で、自然に中国にも参加を促していくべきでしょう。もちろん、加入にあたっては、中国はさまざまな民主化を進める必要があるわけです。
WTO(世界貿易機関)の下で国境措置(関税)の自由化を進めてきましたが、経済連携のための制度論まで踏み込む「内なる自由化」にはなかなか進めない状態でした。そこに出てきたのがTPPなのです。活用しない手はありません。