素敵に年を重ねるにはどうすればいいのか。エッセイストのウイさんは「自分は老いとうまく折り合いをつけているはずなのに、白髪だけはどうしても許せない。それは独身だからではないかと思うようになった」という――。
彼の髪は白くなっている
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顔のシワ、おなかの贅肉…突きつけられる老い

たとえば一人暮らしをして自分で家賃や光熱費を支払うことや、選挙に行くこと、失恋すること、童貞を卒業すること、タバコを吸ったり居酒屋で泥酔したりすること……。

そんな数々の儀式を経て「大人になったな」という実感と共に、すっかり頂上まで上り切ってしまった大人の階段。いつ上り切ったのか、明確な自覚はありませんが、38歳男性独身、僕はまごうことなき「大人」です。

しかしアラフォーとなった今、目の前に新たな階段が現れたではありませんか。その名は「中年」の階段です。

いつまでも若いつもりでいるものの、遅れてやってくる筋肉痛、顔のシワ、おなかの贅肉、歯の具合、無茶できる日数の減少、飲んだ翌日のお酒の残り方など、身体の老化を否定することはできません。テレビに出てくるアイドルの顔の見分けもつかなくなってきました。

しかも、大人の階段はある程度自らの意思で登るタイミングを決めることができたのに、中年の階段は否応なしに登らされます。すごい強制力です。

フィジカルもメンタルも確実に、20代前半のそれではありません。30代も終盤となった最近は、社会的にも自分が「若者」という大きなカテゴライズから外れていることが多くなってきたことを感じます。

そんな様々な事象を通じて、自分がすっかり「大人」から「中年」に変わりつつあるのを実感する日々。それがアラフォーの毎日です。