「三面鏡購入」白髪との戦いに死角なし

そんなある日、ふと気がつきました。「これまで洗面所の鏡で見える範囲ばかり気にしてきたけれど、頭頂部や後頭部は白髪だらけの可能性があるのでは……?」と。

すぐに、Amazonで縦に開く三面鏡を購入します。通常三面鏡は横に開くことで横顔を見ることができますが、購入したものは縦に開くことで頭頂部から襟足までを確認することができる優れものです。

到着した三面鏡は、想像していたものよりはるかに大きなものでした。

早速、頭頂部や後頭部をくまなく捜索します。予想していたほどではないのですが、何本か白髪を見つけることができました。ここでのコツはたっぷりの自然光の下で行うことです。発見できる数が全く違います。

三面鏡に写った髪の毛を抜く作業は思ったよりも手の動きが難しく、苦戦しながらもじっくりと時間をかけ、白髪を抜いていきます。まだ生えてきたばかりと思われる短いもの、こんな状態になるまで気付かなかったのかと驚くほど長いもの、様々な白髪を1時間かけて10本近く抜きます。

ピンセットと白髪
写真=iStock.com/Jennifer Miranda
※写真はイメージです

そこで、発見してしまったのです。半分白い白髪です。先端は黒いのに、途中からスパッと白髪になっているものがあったのです。もしかしたら肉眼で確認できないだけでゆっくりグラデーションで白髪になっているのかもしれませんが、ぱっと見はある日を境に色素を作り出す毛根の機能が死んだように白髪になっています。黒い部分は太く張りがあるのですが、白髪の部分からは細くなっているような気もします。

髪の毛は1カ月で約1cm伸びるといわれています。白髪になっている部分は約6センチ。つまりこの白髪は、半年前に確実に僕が老化した証なのです。また中年を実感します。

理由は「モテたい」

ともかく。なぜこんなにも、白髪に対して折り合いがつかないのでしょうか。考えた結果、白髪に対して折り合いがつかない大きな理由は二つ。

一つめは「自分でコントロールできない」ということです。お腹が出てくれば痩せればいい。肌はスキンケアすればいい。薄毛も今は薬で対策できます。お腹も肌も毛量もしっかりかけた時間とお金と労力に応えてくれるのです。

でも、白髪はこっちの努力に直ぐに応えてくれない。対応策を見ても「血行を良くしよう」や「ストレスをためないようにしよう」というものばかり。僕はそんな、打つ手なく、否が応でも老いを可視化してくる白髪に躍起になっているような気がします。

そして、もうひとつ。それは「下心」ではないかと考えます。その下心とはもちろん異性に対するものです。ストレートにいうと、モテたい。そのために、若々しくいたい。この下心が、白髪を認めることができない要因な気がします。