みずほFGの人材育成の方針は「自らのキャリアは自らの力で勝ち取る」で、そのためのプログラムを数多く準備しています。ルーキージョブリクエスト制度では、入社1年目の最初のオン・ザ・ジョブ・トレーニングが終わった時点で、次の配属ではできるだけ本人の希望が叶うようにしています。

ジョブ公募制度というユニークな制度もあります。みずほFGの場合には、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行、みずほ証券、みずほ信託銀行など、それぞれ専門性が高いプロフェッショナルな仕事がいくつもあり、170を超える職務において公募を実施しているのです。

例えばみずほ銀行の営業店で働いている人が、みずほコーポレート銀行の海外業務をやりたい、プロジェクトファイナンスをやりたいとか、みずほコーポレート銀行でプロダクツの仕事をしている人が、みずほ銀行の営業店でRM(リレーションシップ・マネジメント)をやりたい、個人マーケティングをやりたいといったケースなど、様々な事例が生まれています。

支店長公募制度もあります。従来だと、40歳を過ぎないと支店長になれませんでしたが、今、いちばん若い支店長は、36歳で就任した人です。自分のなりたいものを明日にイメージし、そこに向かって果敢にチャレンジできる枠組みをつくっています。

場が与えられれば爆発的に持てる力を発揮するケースを、私はこれまで多々目の当たりにしてきました。やりたいと思っていた仕事が、実際に辞令を受けてはじめてできるようになると、うれしいんですよね。そうすると、ものすごい力を発揮します。

みずほFGは大きい組織ですから、金太郎飴のように、どこを切っても同じ人がいて成り立っているわけではありません。それでも、みずほFGの一員として日本経済、世界経済のためにやっていくのだという強い意志、意欲を持っている限りは、すべての仲間にこの船から降りずについてきてもらいたいと思っています。そのために、組織としてできることは何でもします。

入ってくる人に求めるのは「若々しさ」。エネルギーがあり、明敏、機敏であって、いい意味での楽観主義、なにくそ魂を備えた人であれば、われわれは十分教育をして、持てる力を120%引き出せると思っています。

※すべて雑誌掲載当時

(小澤啓司=構成 的野弘路=撮影)