おすすめの入浴時間は「日没前」

(2)入浴のタイミング

・日没前の入浴がおすすめです。外気温が下がりきるまえに入浴することで、寒暖差を減少させることができます。

風呂場
写真=iStock.com/taka4332
※写真はイメージです

・食後や飲酒後すぐの入浴は避けましょう。先述のとおり飲酒は一時的に血圧を下げ、ヒートショックの原因となります。アルコールが抜けるまでにかかる時間には個人差がありますが、目安としては純アルコール20g(ビールであれば500ml)でおおよそ3~4時間とされます。より多く飲んだ際にはさらに時間がかかります。アルコールによって危機管理能力も低下しますので、できれば飲酒前に入浴するか、浴槽で溺れるのを予防するため、ぬるめのシャワーにするとよいでしょう。

また、食後も一時的に低血圧となる可能性があるため、少し時間をおいてから入るとよいでしょう。

(3)お風呂に入る時には家族に伝えてから

・入浴中に体調が悪くなり自分で対処ができない場合、周りの人に助けを求めることが必要です。自分が入る前には家族に一声かける。家族もおおよそのお風呂の時間を把握しておき、普段よりも長い場合には様子を見に行き声をかけるなどの工夫が必要です。浴室からまったく音がしない場合や大きな音がした場合もすぐに様子を見に行くようにしましょう。

ヒートショックはトイレでも起こる

先ほどからお風呂を例にしてお伝えしておりますが、ヒートショックはトイレでも起こる可能性があります。トイレでは衣服を脱ぎますので、体温が下がり血圧を上げようとすることは想像がつきますね。特に夜間などは冷えますので、注意が必要です。

(4)トイレの温度管理

・トイレの暖房便座を利用しましょう。また、トイレに暖房を1台設置し、使う度に使用するとよいでしょう。

・居間や寝室からトイレへ向かう際の服装にも注意が必要です。着ている服の上に一枚上着を羽織る、靴下を着用する、スリッパを履く、など少しの工夫がヒートショックの予防になります。

コロナ対策で換気を心がけている方は多いと思います。窓を開けて換気をすることでどうしても室温は下がってしまうので、室温が急激に変化するのを避けるためには、定期的に窓を全開にするのではなく、常時窓を少し開けて外気を入れつつ、暖房などを利用して室温が下がりすぎないよう調整する必要があります。また、人がいない部屋の窓を開けて、廊下を経由し少し温まった新鮮な空気で換気すること(二段階換気)も有効とされていますので、ぜひ行ってみてください。

ヒートショックには誰しもがなる可能性がありますが、このように対策を行うことでリスクを下げることができます。冬本番前に一度ヒートショックについて理解を深めていただければ幸いです。

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