すぐやる人と先延ばしする人はどこが違うのか。メンタルコーチの大平信孝さんは「他人と自分を比べるのが癖になっていると、嫉妬、焦り、劣等感などが湧いてきて、先延ばしの原因になりやすい。すぐやる人は、他人ではなく、過去の自分と比べている」という――。
※本稿は、大平信孝『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ 科学的に先延ばしをなくす技術』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
能力や性格ではなく、考え方や姿勢に違いがある
すぐやる人と、先延ばしをする人の間に能力や性格の差はない。あるのは、物事の捉え方の違いだけ。
実は、「すぐやる人」と、つい先延ばししてしまう人との間に、能力や性格についての差はそれほどありません。
しかし、物事に対する考え方や姿勢、受け止め方、自分とのつき合い方には、大きな差があります。
「全てのものは二度つくられる」
これは、『7つの習慣』(キングベアー出版)の著者として有名な、スティーブン・R・コヴィー博士の言葉です。
わかりやすく言えば、全ての物事は、まず頭の中でつくられた後に、実際に形のあるものになる、つまり、どんなことでも「知的創造」と「物質的創造」の2つのプロセスを経るという意味です。
たとえば、建物を建てるときに、いきなり柱を立てる人はいません。まず、どんな建物を建てたいかをイメージして設計図を書き、それにもとづいて建物を建築します。
これは、建築にかぎったことではありません。旅行であれば、計画を立ててから、現地に行くはずです。
仕事も勉強も、ある程度の計画を立ててから実行します。スポーツ選手もイメージトレーニングとして、うまくいく状態を頭の中で想像してから取り組むと、体を動かしやすくなります。
つまり、全ての行動は、事前に頭の中でイメージしてから行われているのです。
「すぐやる人」と、つい先延ばしにしてしまう人は、ここに大きな違いがあります。